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白玉楼
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西行寺 幽々子:
じー……。
魂魄 妖夢:
あの、そんなにじっと見られると、
気になるんですが……。
西行寺 幽々子:
ねえ。妖夢って……、人の部分と、
くっついてる半霊の、どっちが本体なの?
魂魄 妖夢:
え? いや、どっちと言われましても……。
どっちも私ですよ。両方本体です。
西行寺 幽々子:
そうなの? じゃあ、もし私が、
半霊と人に分かれたら、どっちが本物だと思う?
魂魄 妖夢:
う~ん……、それは、両方とも
幽々子さまではないでしょうか……。
西行寺 幽々子:
えー。私から分かれたものって、
全部私になっちゃうの? 見た目が違っても?
魂魄 妖夢:
ええと、幽々子さまは亡霊なので、
半霊というより、霊体が分裂するのでは?
西行寺 幽々子:
……分裂? 私自身が、二人になるってこと?
魂魄 妖夢:
そうですね。だから、見た目も中身も一緒ですし、
つまり両方本物、ということに……。
西行寺 幽々子:
なるほどね。じゃあ、もし分裂した二人の私が、
別々の場所で生活したとしましょう。
西行寺 幽々子:
生活環境が全然違うから、
モノの考え方や日常のクセも違ってくる。
西行寺 幽々子:
そうなっても、やっぱり両方とも本物だと思う?
魂魄 妖夢:
えっと……? それって、つまり、色んな
幽々子さまが、増殖してるってことですか?
魂魄 妖夢:
ど、どうか、そのままでお願いします!
私ひとりじゃ、絶対お世話しきれません!
西行寺 幽々子:
そこは頑張ってくれないと。でも、もしそうなったら、
色んな自分とお話できて、楽しそうね。