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紅魔館
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西行寺 幽々子:
うーん、どうしましょう。
この宴会、ワインばっかりだわ……。
レミリア・スカーレット:
ワインは苦手だった?
今日のパーティのために、せっかく用意したのに。
西行寺 幽々子:
いいえ、ワインは好きよ。
でも、前に安酒に当たっちゃってね。
西行寺 幽々子:
ひどく渋いし、悪酔いしちゃうしで……。
それ以来、ちょっと警戒しちゃうの。
レミリア・スカーレット:
それは災難だったわね。でも、安心して。
私が用意したワインは、すべて最高級の品質よ。
西行寺 幽々子:
そんなに言うなら、飲んでみるわ。
いただきまーす……。
レミリア・スカーレット:
どう? 最高でしょ?
まあ、聞くまでもないけど。
西行寺 幽々子:
うーん、飲めないこともないけど、ちょっと
渋すぎるような……。あの時の安酒に似てるわ。
レミリア・スカーレット:
う、うちのワインが、安酒と似てるですって!?
レミリア・スカーレット:
いいわ! うちにあるやつ、全部出してあげる!
絶対に美味しいって言わせてやるから!
レミリア・スカーレット:
どう!? これだけ飲んだなら、
美味しいと思ったやつが絶対あるでしょう?
西行寺 幽々子:
いくつかはあるけど、まだ苦手意識が……。
克服するために、もっともっと飲まないと。
レミリア・スカーレット:
なによそれ……。って、まさか!
最初から、全部のワインを飲むために!?
西行寺 幽々子:
うふふ。バレちゃった?
でも、どのワインも、とっても美味しかったわ。
西行寺 幽々子:
お詫びに、私が持ってきた焼酎を開けましょう。
美味しいから、ぜひ飲んでみて?
レミリア・スカーレット:
まったく、油断も隙もない。
まあ、焼酎はいただくけど……んん?
西行寺 幽々子:
あら、口に合わなかった?
焼酎は他にもあるから、どんどん試してみて?
レミリア・スカーレット:
んー、なんか、どれも物足りない……。
焼酎って、こんなものだったかしら?
西行寺 幽々子:
ふふ、その割には笑顔じゃない。
仕返しに、私の焼酎を全部飲むつもりでしょ?
レミリア・スカーレット:
バレたか。美味しいお酒の前じゃ、
ウソはつけないね。
西行寺 幽々子:
それじゃあ、正直になって、
今日は朝まで飲み明かしましょうか?
レミリア・スカーレット:
ええ、そうしましょう。楽しい夜になりそうね!