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博麗神社
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西行寺 幽々子:
うーん、誰もいないわ。宴会の時間より、
ずいぶん早く着いちゃったみたいね。
西行寺 幽々子:
……あら? 誰か来たわね。
宇佐見 菫子:
あ、こんにちはー。すみません、
ここの巫女さんって、いませんか?
西行寺 幽々子:
こんにちは。今は、いないみたいよ。
霊夢に何か用事?
宇佐見 菫子:
えーっと、はい。ちょっと幽霊方面で、
相談したいことがあるというか……。
西行寺 幽々子:
幽霊方面? それなら私が聞きましょうか。
私こう見えても、幽霊には詳しいの。
宇佐見 菫子:
本当ですか!?
じゃあ、お言葉に甘えて……。
宇佐見 菫子:
実は、携帯で写真を撮ると、必ず白いモヤとか
人影が写った、心霊写真になっちゃうんです。
宇佐見 菫子:
前に、お祓いしてもらって平気になったのに、
最近また、心霊写真しか撮れなくなって……。
西行寺 幽々子:
なるほどね。その写真はある?
よかったら見せてくれないかしら。
宇佐見 菫子:
いっぱいあります。この辺から、全部そう。
西行寺 幽々子:
あらあら、よく撮れてるわねぇ。
幽霊たちが、ばっちり写ってるわ。
西行寺 幽々子:
でも、安心して。写ってるのは、
みんな危ない幽霊じゃないみたい。
宇佐見 菫子:
えっ、本当!?
だったら、なんでこんなに出てくるの?
西行寺 幽々子:
きっと、あなたに興味があるんでしょうね。でも、
怖がってるから近づかないように言っておくわ。
西行寺 幽々子:
これでも、幽霊に言うことを聞かせられるくらい、
えらい立場なのよ?
宇佐見 菫子:
幻想郷の人って、やっぱすごいなぁ……。
これで助かった! ありがとうございます!
西行寺 幽々子:
どういたしまして。よかったわね、解決して。
宇佐見 菫子:
ほんとだよー。あっ、せっかくだから
治った記念に、一緒に写真撮りません?
西行寺 幽々子:
いえいえ。それは、やめといた方が
いいと思うわよ。色んな意味で。
宇佐見 菫子:
まあそう言わないで! 記念の写真なんだから!
じゃあ撮りますね! ハイ、チーズ!
宇佐見 菫子:
うんうん、よく撮れて……って、なにこれ!?
モヤとか手形で、写真が埋め尽くされてる!?
西行寺 幽々子:
どう? 上手に撮れたかしら。
…………記念の心霊写真は。
宇佐見 菫子:
ひ、ひええ~~っ!