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白玉楼
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西行寺 幽々子:
あら? なんだか桜の元気がないわね……。
妖夢の手入れは行き届いているはずなのに。
西行寺 幽々子:
何か原因があるのかしら?
よし。暇だし、自分で探してみましょう。
チルノ:
はぁはぁ。庭師からは、逃げられたけど、
いったい、どこが出口なんだろ?
チルノ:
もーっ! いくらひんやりしてても、
幽霊屋敷って知ってたら、絶対来なかったのに!
西行寺 幽々子:
あら、こんな所にお客様が。
いらっしゃ~い。
チルノ:
(コイツ、亡霊の親玉じゃん!
まずい、こうなったら……!)
西行寺 幽々子:
よかったら、お茶に付き合ってくださらない?
ちょうど退屈していたの。
チルノ:
……へっ?
西行寺 幽々子:
お待たせ~! お茶とお菓子を用意したわ。
妖夢がいないから、時間がかかっちゃった。
チルノ:
(ふふん、亡霊の親玉に
お茶を用意させるなんて、さすがあたいね)
チルノ:
さいきょーのあたいが、お茶もお菓子も
おいしく食べてあげる! で、どんなお菓子?
西行寺 幽々子:
あったかいお茶に、ほかほかの餡を包んだ最中よ。
寒いときは、こういうのが美味しいわよね。
チルノ:
ぎゃー! 熱いものばっか!
この亡霊、やっぱりあたいをハメようとしたのね!
チルノ:
もう、こんなとこにはいられない!
あたいは霧の湖に帰らせてもらうんだから!
西行寺 幽々子:
あらら、猫舌だったのかしら?
悪いことをしちゃったわね。
魂魄 妖夢:
ご無事ですか、幽々子様! 私としたことが、
曲者を取り逃がしてしまい……。
西行寺 幽々子:
お客様なら、ちょうどお帰りになったわ。
私のお茶がお気に召さなかったみたいで。
魂魄 妖夢:
あの厄介な妖精を、お茶だけで!?
すごい、さすが幽々子様!
西行寺 幽々子:
私は、あの子と
お茶がしたかっただけなんだけど。