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永遠亭
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因幡 てゐ:
うぅぅ。お師匠様~……。
八意 永琳:
てゐ? ずいぶん顔色が悪いけど……、
いったいどうしたというの?
因幡 てゐ:
そ、それが……。今朝、お師匠様は私に、薬の
材料になる花を摘んでくるよう言ったわよねー。
八意 永琳:
ええ、言ったわ。夕方になっても
戻らないから、遅いと思っていたところよ。
因幡 てゐ:
あれ、毒草だったじゃない? 私、うっかり
風下に立って、花粉をたっぷり吸っちゃって……。
因幡 てゐ:
それで、息も絶え絶え戻ってきたの……ごめん。
摘んできた花も、どこかで落としちゃったみたい。
八意 永琳:
てゐ、そうだったの……。
さあ、この薬を飲んで。すぐに楽になるはずよ。
因幡 てゐ:
あ、ありがとう、お師匠様……。
ふぅ。これで、やっと楽…に……!?
因幡 てゐ:
うっ!? 身体が、痺れる……!?
お、お師匠様、私に何を……!?
八意 永琳:
貴方に頼んだ花は、皮膚に作用する毒を持つの。
もし症状が出るなら、蕁麻疹がいいところね。
八意 永琳:
今飲ませたのは、そうね……嘘つきに効く薬よ。
これから、仕事をサボった時は正直に言うように。
因幡 てゐ:
あーっ。このまま置いてくなんて、殺生なー!
うぅぅ、ビリビリするよぉぉ……。
因幡 てゐ:
ぐぅ。やっぱ、お師匠様は手強いね……。
次にウソをつく時は、もっとうまくやろーっと。