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人間の里
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鈴仙・優曇華院・イナバ:
ふぅ。薬の交換も、こんなところかしら?
博麗 霊夢:
あら、あんた。ちょうどいいところに。
ちょっと頼みがあるんだけど。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
もう帰るところなんだけど……。
頼みってなに?
博麗 霊夢:
参拝客を増やしたいから、手っ取り早く、
神社の人気が上がる薬を作ってくれない?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
んなムチャな……。巫女がそんなだから
参拝客が来ないんでしょうに。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
でも、人気かぁ……。あ、そうだ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
この薬はね、人気運を上昇させる効果があるの。
でも、まだ試作品で……。
博麗 霊夢:
それ、もらうわ!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
えっ! いや、それは、ほしがってるモノとは、
ちょっと違う……。
博麗 霊夢:
大丈夫、大丈夫!
それじゃあ、コレもらっていくわねー。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええー。どうなっても知らないからね……。
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翌日
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鈴仙・優曇華院・イナバ:
……今日も、こんなところかな、と。……ん?
博麗 霊夢:
あーっ! こんな所にいたわね、鈴仙!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
霊夢!? うっ……! その強烈なニンジン臭、
あんた、まさか昨日の薬を飲んだんじゃ……!
博麗 霊夢:
そうよ! そしたら、うさぎが大挙して襲ってきて!
人気が上がるって言ってたのに、話がちがうじゃない!
博麗 霊夢:
いったいなんなのよ、これは!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ちゃんと話を聞かなかったのは、あんたでしょ?
あれは、“うさぎ”に人気の出る薬だったのに。
博麗 霊夢:
う、うさぎ?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええ、どうやら効果テキメンみたいね。
人気急上昇で、よかったじゃない?
博麗 霊夢:
ちがーう! こんなの望んでなーい!!
博麗 霊夢:
私は、普通に参拝客を増やしたいだけなのに、
どうしてこうなんのよ……。もーっ!