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迷いの竹林
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鈴仙・優曇華院・イナバ:
見回り異常なし。よし、そろそろ帰ろうかな。
ん? ……うわっ、まぶしっ!?
射命丸 文:
どうもどうも、こんばんはー。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あなたは、天狗の記者の……。
取材なら、お断りよ。
射命丸 文:
まあまあ、そう言わず。
実は、ちょっと気になるタレコミがありまして。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
タレコミぃ?
射命丸 文:
ズバリ! 月うさぎの耳は着脱可能である、と!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
はあー? そんなことあるわけ……。
……いや、ちょっと待って。
射命丸 文:
おや?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ふっふっふ……。
実は、誰にも言ってなかったんだけど……。
射命丸 文:
ゴクリ……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
実は……。
射命丸 文:
じ、実は……!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
私の耳は……、つけ耳だったのよ!!
射命丸 文:
ええええええー!?
み、耳が、取れたーっ!?
射命丸 文:
やはり、タレコミは正しかった!
これは世紀の大スクープっ!
射命丸 文:
写真! 写真を撮らねばっ!
これは歴史に残る大事件ですよー!!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
んふふ……。すっかり、だまされちゃって。
射命丸 文:
何はともあれ、早く写真の確認を……。
射命丸 文:
……な、な、なぁっ!?
これも、これも、この写真も! 耳が取れてない!?
射命丸 文:
この目で、しっかり見たはずなのに……!
……さては、私に幻術をかけましたね!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
えへ。ちょっとした、イタズラよ。
てゐに吹き込まれて……。
射命丸 文:
そ、そんなの、ひどいじゃないですかー!
だったら、別のネタを提供していただきますよー!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええ!? 知らないわよ、そんなの!
勘弁してよーっ!
因幡 てゐ:
私の言ったことを、ぜーんぶ真に受けるなんて、
二人とも、どこまで素直なの?
因幡 てゐ:
さーて、次は、どんなイタズラを
仕掛けてやろっかな♪