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迷いの竹林
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鈴仙・優曇華院・イナバ:
てゐ~っ! あんた、またイタズラしたわね!
今日という今日は、ゆるさないんだからっ!
因幡 てゐ:
おっと、バレてたか。
いやあ、慌てる鈴仙は愉快だったよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ちょっともう、ちゃんと反省しているの!?
因幡 てゐ:
ハイハーイ。反省してますぅー。
まったくもう、うるさいんだから……。
因幡 てゐ:
……ていうかさー。
私がやったって証拠は、あるわけ?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
はあ? あんた以外、誰がやるってのよ!
因幡 てゐ:
だからさ、私がやったイタズラが、現実に
起こった出来事だと証明できるの? ってこと。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
なに、わけのわかんないこと言ってるのよ……。
私は、この目で見てるのよ?
因幡 てゐ:
もしもその記憶が、偽物だとしたら?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
はあ……?
因幡 てゐ:
たとえば、この世界ができたのが五分前だとして、
そうではないことを私たちは証明できないでしょ?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
え、ええ……?
因幡 てゐ:
私たちの記憶も、もしかしたら、この世界と同じ
五分前に作られたものなのかもしれない。
因幡 てゐ:
昨日も、何十年、何千年前の記憶も。
ぜーんぶ、同時に作られたものかもしれないよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ちょ、ちょっと、やめなさい。
意味がわからないわ……。
因幡 てゐ:
と、いうわけでー。
因幡 てゐ:
あんたがいま怒ってる私のイタズラも、もしかしたら
誰かに作られた、嘘の記憶なのかもしれないよ?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
そ、そっか。
それなら、てゐは悪くない……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
って、そんなわけないでしょ。テキトー言って
煙に巻こうったって、そうはいかないわよ!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あんたのその曲がった根性を、
私が叩き直してあげるわ!
因幡 てゐ:
げげっ、作戦失敗! 勘弁してよ、鈴仙!
説教は、もうたくさんだ~っ!!