-------------- 白玉楼 -------------- 八意 永琳： ごめんください。 西行寺 幽々子： いらっしゃい！　さあ、早く上がってちょうだい。 とびっきり美味しい料理を用意しているの。 八意 永琳： ずいぶん上機嫌だけど、どういうつもり？ また、月のお酒でも注いでもらえるの？ 西行寺 幽々子： いやだわ。ただ、おもてなしがしたいだけよ。 八意 永琳： どうだかね。でも、料理自体は美味しそうね。 西行寺 幽々子： そうでしょう？　さあ、いただきましょう。 ……はむっ。 八意 永琳： せっかくだけど、遠慮するわ。 私、ワサビは好きじゃないの。 八意 永琳： 隠すのなら、もっとうまくやるのね。 料理の下から、ワサビが見えてるわよ。 八意 永琳： なにを企んでいるのかと思えば、こうして 私をからかうつもりだったのね？ 西行寺 幽々子： バレちゃった。それなら、デザートだけでも いかが？　パフェを用意したの。 八意 永琳： どうせそれにも、なにか仕込んでるんでしょう？ だまされないわよ。 西行寺 幽々子： それなら仕方ないわね。 いただきま～す。……ぱくっ。 西行寺 幽々子： んん～！　美味しいわ！ 口どけのいいアイスに、絶妙な甘さのホイップ！ 八意 永琳： ふん。その手には乗らないわよ。 魂魄 妖夢： ただいま戻りましたー。 あれ、お客さん。パフェ食べないんですか？ 魂魄 妖夢： なら、私がいただいちゃいますね。 八意 永琳： あ、ちょっと待っ……。 魂魄 妖夢： ぱくっ。 魂魄 妖夢： うわー。めちゃくちゃ美味しいじゃないですか！ これを食べないなんて、もったいない！ 八意 永琳： な、なんですって！？ 西行寺 幽々子： うふふ。いい顔！ やっと驚いてくれた！ 八意 永琳： やられたわ……。本命は、これだったのね。 西行寺 幽々子： 難しく考えすぎなのよ、あなた。 それじゃ、お土産を用意するから待っててね。 西行寺 幽々子： お土産には、ええと……、 なにを入れたんだったかしら？ 八意 永琳： またなにか……、いや、読めない。 やっぱり、あなたは苦手だわ。