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永遠亭
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八意 永琳:
そういえば、置き薬が切れていたわね。
仕入れておいた材料で作ろうかしら……って。
八意 永琳:
な、なによ、これ!?
部屋が荒らされてるじゃない!
八意 永琳:
いったい、誰がこんなことを……。
蓬莱山 輝夜:
ああ、永琳! どこに行っていたの?
八意 永琳:
輝夜? どうしたの!? 何があったの!?
蓬莱山 輝夜:
見て。この若木の盆栽が枯れそうなのよ。
助けたいけど、優曇華の枝とは勝手が違って……。
蓬莱山 輝夜:
お願い、永琳。
この盆栽、元気に出来ないかしら?
八意 永琳:
……わかったわ。診てみましょう。
植物の患者なんて、はじめてだけど。
八意 永琳:
ほとんどの葉が萎れているけど、
緑の葉が一枚残っている……。まだ助かるわ。
蓬莱山 輝夜:
永琳は、どんな薬も作れるでしょう?
その力で、この子の薬も作ってくれないかしら。
八意 永琳:
植物の薬なんて作ったことないけど……、
わかった。やってみるわ。
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数時間後
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八意 永琳:
完成ね。ありあわせで作ったモノだけど、
これなら、ちゃんと効果があるはずよ。
蓬莱山 輝夜:
ありがとう! これで、
この子を助けてあげられる。永琳、さすがね。
八意 永琳:
それはそれとして、どうして貴方は、
部屋を荒らしたりなんかしたの?
蓬莱山 輝夜:
なんとか薬を作ろうと、私も必死だったのよ。
どうしても、この盆栽は自分の力で助けたくて。
蓬莱山 輝夜:
だってこれ、地上の木を育てたいって言った私に
あなたが送ってくれた、大切な盆栽だから。
八意 永琳:
輝夜……。しっかり覚えていたのね。
大事にしてくれていて、嬉しいわ。
八意 永琳:
だけど、結局どうにもならなくて、
私に泣きついてきたってわけね。
八意 永琳:
次は部屋を荒らす前に、一声かけてちょうだい。
貴方にしては、がんばった方だとは思うけど。
蓬莱山 輝夜:
ちょっと、一言多いんじゃない?
次は、一人でやってみせるんだから。