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永遠亭
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八意 永琳:
いらっしゃい。
突然呼び出して、ごめんなさいね。
藤原 妹紅:
いいんだ。私に頼みたいことがあるんだろ?
詳しく聞かせてくれ。
八意 永琳:
ええ。実は今、
蓬莱人専用の薬を開発しているの。
八意 永琳:
修行の効果を上げる作用があるから、
貴方に治験をしてほしいのよ。
藤原 妹紅:
へぇ、そりゃ試し甲斐があるな。
わかった、協力するよ。
八意 永琳:
助かるわ。
はい、これがその薬よ。
藤原 妹紅:
うわ、なんか不気味な形をしてるな。
魔法の森に生えてるキノコみたいだ。
藤原 妹紅:
ま、飲んでしまえば関係ないか。
ごくん。……あ、あれ?
上白沢 慧音:
さすがは薬師。うまくいったみたいだな。
ありがとう。
上白沢 慧音:
最近、妹紅の不摂生が過ぎて心配だったんだ。
これで、睡眠不足が解消されるといいが……。
八意 永琳:
短時間で効果がある薬を飲ませたわ。とはいえ、
魔法に近い劇薬だから、濫用はできないけどね。
八意 永琳:
……と、
そろそろ起きるはずよ。
藤原 妹紅:
ふわぁ~~。よく寝た。
あれ、慧音。来てたのか。
八意 永琳:
おはよう。調子はどうかしら?
藤原 妹紅:
お、なんか身体が軽い!
薬が効いたのかな。これで修行の効果が……
八意 永琳:
残念だけど、その薬にそんな作用はないわ。あれは、
貴方に睡眠効果のある薬を飲ませるための嘘よ。
藤原 妹紅:
えっ! なんで、わざわざそんなことを?
上白沢 慧音:
私がそうしてほしいとお願いしたんです。
頑なに眠らない貴方が、心配だったので……。
藤原 妹紅:
……そうだったのか、心配させて悪かったよ。
永琳にも、迷惑をかけた。
八意 永琳:
いいのよ。
ただし、これからは健康に十分、気をつけること。
藤原 妹紅:
わかってるって。にしても、こりゃいい薬だな。
いくつか分けてくれよ。
永琳&慧音:
薬に頼らないで、ちゃんと寝なさい!