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博麗神社
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蓬莱山 輝夜:
こんにちは。ねえねえ、お願いがあるんだけど。
ちょっと、この黒い箱を開けてくれないかしら?
蓬莱山 輝夜:
中を見たいんだけど、強い封印が施されてて……。
ほら、あなた、こういうの得意でしょ?
博麗 霊夢:
えー、めんどくさい……。
いきなり来て、なんなのよ。
蓬莱山 輝夜:
こんな怪しい箱、放っておいたら、
怪異の原因になるかもしれないじゃない!
蓬莱山 輝夜:
だから、ね? おねがーいっ!
博麗 霊夢:
はいはい。わかったわよ。
開ければいいんでしょ?
博麗 霊夢:
……むっ! 結構しっかりした封印じゃない。
でも、このくらい私にかかれば……!
博麗 霊夢:
ほら、開けたわよ。
……ん? なにこれ? 日記?
蓬莱山 輝夜:
誰のかしら? 見てみましょうよ!
博麗 霊夢:
いやいや……。他人の日記を読むなんて、
やめといた方がいいんじゃないの?
蓬莱山 輝夜:
これって……、永琳の、日記……?
蓬莱山 輝夜:
うぷぷ。永琳ったら、
毎日こーんな日記をつけてたのねっ。
博麗 霊夢:
は~、面白かったわね! って、バレたらマズイし、
早くしまって再封印しときましょ!
八意 永琳:
輝夜。ここにいたのね。
ねえ、倉庫にあった、黒い箱を知らない?
輝夜・霊夢:
ヒィッ!!
八意 永琳:
あっ! やっぱり、貴方が持ち出してたのね。
まさか……、中は見てないわよね?
蓬莱山 輝夜:
えっ!? え、ええ!!
封印が強すぎて、開けられなかったのよ! ねっ?
博麗 霊夢:
そ、そうそう。私の力じゃ、ぜーんぜん。
もうまったく無理だったわ!
八意 永琳:
そう? なら、いいんだけど……。
八意 永琳:
……貴方たち。やっぱり中を見たわね?
蓬莱山 輝夜:
は? え? いや、見てませんけど……。
八意 永琳:
この日記、量子印を押してあったのよ。
万が一の場合、中を見た者がわかるようにね。
蓬莱山 輝夜:
う、うそっ! 量子印!?
博麗 霊夢:
リョウシイン? って、なによ、それ?
八意 永琳:
私が発明した特別な印鑑よ。印を押しておくと、
中を読んだ人の数がわかるの。
博麗 霊夢:
えっ!? じゃあ、つまり……!
八意 永琳:
日記を読んだだけじゃなく、嘘までつくなんて……。
貴方たち、記憶が消えるまで、おしおきよ。
輝夜・霊夢:
ご、ごめんなさーいっ!!