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紅魔館
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蓬莱山 輝夜:
うふふ。あの亡霊から、紅魔館のメイド長が作る
ケーキが絶品だって聞いたから、来ちゃったわ!
蓬莱山 輝夜:
いったい、どんなケーキが食べられるのかしら。
楽しみだわ~。
十六夜 咲夜:
お待たせいたしました。
ケーキをお持ちしましたわ。
蓬莱山 輝夜:
まあ! こんなにたくさん、本当にいいの?
どれも、すっごく美味しそうだわ!
蓬莱山 輝夜:
それじゃあ、いただきます!
蓬莱山 輝夜:
……んんんん~っ!! お、美味しいぃ~!
フォークが止まらなーいっ!
蓬莱山 輝夜:
こんなに美味しいケーキ、毎日食べられるなら、
私、ここに住んじゃいたいかも……。
十六夜 咲夜:
お口に合って何よりです。
ケーキと一緒に、紅茶もどうぞ。
十六夜 咲夜:
お嬢様の健康のために作った、試作品のお茶です。
甘い物ばかりでは、健康によくないですからね。
蓬莱山 輝夜:
こんな素敵な従者がいて、紅魔館のお嬢様は幸せね。
……ん? な、なんのニオイかしら……?
蓬莱山 輝夜:
まあいっか。いただきまー……ガフッ!!
蓬莱山 輝夜:
う、ゲホッ! な、なに? この独特の味は……。
納豆……。いや、生魚……?
十六夜 咲夜:
お嬢様の健康を考えて、
大蝦蟇池で採れた、ガマキノコを入れたのです。
蓬莱山 輝夜:
ガ、ガマキノコ……? 最強にマズいと噂の?
蓬莱山 輝夜:
え、ええと……。私の口には合わなかったみたい。
ごめんなさい。他の紅茶をいただける?
十六夜 咲夜:
あら、そうですか?
では、こちらは、いかがでしょう?
蓬莱山 輝夜:
こ、今度は、普通の紅茶の香りね……。
蓬莱山 輝夜:
……うぶっ!! か、辛い! 辛すぎる!!
全身が燃え上がるようだわ……!!
十六夜 咲夜:
ええ! 非常に強い発汗作用がありまして、
代謝を上げる効果があるんですよ。
蓬莱山 輝夜:
そんなことより、水! 水をちょうだいっ!
十六夜 咲夜:
だ、大丈夫ですか?
では、こちらのアイスティーをお飲みください!
蓬莱山 輝夜:
んんん!? な、何これ! 何を飲ませたの!?
なんか、魂を乗っ取られるような感じがする……!
十六夜 咲夜:
ふふ。そうなんです! エクトプラズム配合で、
体の老廃物を排出する効果があるんですよ。
蓬莱山 輝夜:
ろ、老廃物どころか、
自我もろとも排出されそうなんだけど……。
十六夜 咲夜:
ちなみに、UMAのエキス入りです。
こちらも、とっても健康にいいんですよ。
蓬莱山 輝夜:
な、なんですって……っ!?
エクトプラズムに、UMAのエキス……。
蓬莱山 輝夜:
ゔっ! は、吐きそう……!
わ、悪いけど、もう帰らせてもらうわねっ!
十六夜 咲夜:
えっ! ちょ、ちょっと待って!
他にも、まだ紅茶が……。
十六夜 咲夜:
行っちゃった……。まあ、永遠を生きる蓬莱人に、
健康にいい紅茶なんて、必要なかったわね。