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迷いの竹林
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蓬莱山 輝夜:
果たし状なんか送ってきて、どういうつもり?
ずいぶんと仰々しいじゃないの。
藤原 妹紅:
今日この場で、私たちの因縁にケリを
つけようと思って。笑ってお別れするために、な。
蓬莱山 輝夜:
お別れ、って……。
蓬莱山 輝夜:
(いつもに増して真剣な表情……。
本当に、これを最後の戦いにするつもりなのね)
蓬莱山 輝夜:
(突然すぎて、気持ちの整理はつかないけど……。
でも、妹紅。貴方がそれを望むのなら)
蓬莱山 輝夜:
いいわ。この勝負、受けて立ちます。
最後まで退屈させないでね。
藤原 妹紅:
ふっ、言ってくれるな。
そっちこそ、途中で逃げ出すんじゃないぞ。
藤原 妹紅:
修行で磨き上げた弾幕をくらえ!
不死「火の鳥 ‐鳳翼天翔‐」!
蓬莱山 輝夜:
なんのこれしき!
神宝「サラマンダーシールド」!
蓬莱山 輝夜:
はぁ、はぁ……。永遠に続くと思ってた
殺し合いも、これでおしまいか。
藤原 妹紅:
名残惜しいが、私にお前を止める資格はない。
だから、せめて……!
藤原 妹紅:
笑顔で見送るために、全力で勝たせてもらう!
くらえ! 不滅「フェニックスの尾」!
蓬莱山 輝夜:
見送る?
何を言って……くっ、きゃあああああああ!!!
藤原 妹紅:
勝負あったな、輝夜。
藤原 妹紅:
最後にお前と戦えて、満足したよ。
それじゃ……月に帰っても、元気でな。
蓬莱山 輝夜:
……え?
ま、待って。さっきから、何を言ってるの?
藤原 妹紅:
今度こそ、本当に帰るんだろう?
最近、月の民が屋敷を出入りしてるじゃないか。
藤原 妹紅:
それも、大量の物資を持ち込んで……
ロケットでも造るつもりなんだろ。隠さなくていい。
蓬莱山 輝夜:
ロ、ロケットって……。
ぷっ、あはははは!
蓬莱山 輝夜:
やーねぇ、妹紅。勘違いよ!
私が月に帰るわけがないじゃない!
蓬莱山 輝夜:
永琳にお世話になったっていう人里のお爺さんが、
お土産をたっくさん持ってきてくれてただけよ。
蓬莱山 輝夜:
月の民って、お爺さんが月都万象展で見た服を
気に入って自作した、あの服を見て言ったの?
蓬莱山 輝夜:
それを勘違いして……あっははは! おかしー!
私がいまさら、月に帰ると本当に思ったの?
藤原 妹紅:
は、はああああ!? なんだ、
そうだったのか……私はてっきり……。
蓬莱山 輝夜:
私は永遠にここにいるわ。
貴方を置いていったりなんかしない。
蓬莱山 輝夜:
だから貴方も……軽々しく
お別れなんて言わないでよね。
藤原 妹紅:
……ああ、そうだな。
なら、これから先もずっと二人で……。
二人:
永遠に続く、殺し合いを!