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迷いの竹林
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藤原 妹紅:
困ったな。こんなに竹が倒れてちゃ通れない。
燃やすしかなさそうだ。
フランドール・スカーレット:
あーあ、お姉様のわからず屋!
悪気はないって言ってるのに!
藤原 妹紅:
お、見ない顔だな。……ん? たしかお前は、
紅魔館の引きこもり吸血鬼だったか?
フランドール・スカーレット:
引きこもりは余計だわ。
うるさい奴がいない、一人の時間が好きなだけよ。
フランドール・スカーレット:
はぁ……。さっきも、お姉様のカップを
割ったせいで大喧嘩よ。やっぱり一人がいいわ。
藤原 妹紅:
同感だ。一人でいるのは、気楽でいい。
まあ、たまに退屈もするけどな。
フランドール・スカーレット:
そうそう、退屈なのよ。なんでも壊す私の能力が
強すぎて、誰も相手になってくれないもの。
藤原 妹紅:
(それは、私の退屈とは違う気がする……)
藤原 妹紅:
ところで、なんでも壊せるって言ったか?
それなら、頼みたいことがあるんだが……。
藤原 妹紅:
そこの道をふさいでいる竹を取り払いたい。
手伝ってくれないか?
フランドール・スカーレット:
いいわよ。気晴らしに、ちょうどいいし。
道の邪魔になっている物を壊せばいいのね?
フランドール・スカーレット:
さっそく、いくわよ。
きゅっとして……ドカーン!
藤原 妹紅:
おお、こんなに綺麗に片づくなんて。
灰も残ってない。
フランドール・スカーレット:
物を壊して喜ばれるなんて、初めてよ。
あなたは、私の能力を理解してくれるのね。
フランドール・スカーレット:
ねえ、まだ邪魔な物がありそうよ。
どんどん壊していいかしら?
藤原 妹紅:
もちろん。私も一緒にやらせてくれ。
フランドール・スカーレット:
あー、スッキリした。
気兼ねなく壊せるのって、こんなに楽しいのね。
藤原 妹紅:
ほんとだな。案外やりがいがあった。
手を借りたおかげで早く済んだし、助かったよ。
フランドール・スカーレット:
ふふ、たまには誰かと遊ぶのも悪くないわね。
よーし、次は何を壊そうかしら。
藤原 妹紅:
ま、待て待て! もう壊すものはないぞ。
邪魔な物が増えてきたら、またお願いするから。