--------------
迷いの竹林
--------------
藤原 妹紅:
なんだ? あの妖精、見慣れないな。
面倒なことを起こさなきゃいいが……。
クラウンピース:
この辺に、すごい炎を使う奴がいるらしいじゃん。
あたいの炎とどっちが強いか、勝負してやる。
藤原 妹紅:
勝負だって? あいつ、何か企んでるな……。
よし、あとをつけてみよう。
--------------
数十分後
--------------
クラウンピース:
ど、ど、どうしよーっ! 松明がどこにもない!
あれがなきゃ、あたい……。
クラウンピース:
あっ! ねぇ、そこのあんた。
あたいの松明を探すの、手伝ってくれない?
藤原 妹紅:
ええ、なんだ急に。
そんなに大事な物なら、失くすなよ。
クラウンピース:
ううう~……。ここは迷いやすいからって、
目印に立てておいたのが悪かったよ。
藤原 妹紅:
……はぁ、しょうがない。
このまま騒がれても困るし、一緒に探すよ。
クラウンピース:
(まんまと引っかかったな。
あとは松明を見つければ……くっくっく)
藤原 妹紅:
あ! もしかして、あれじゃないか?
クラウンピース:
んん? ……あー! あたいの松明!
間違いない、あれだよ!
藤原 妹紅:
これが、お前の大事な物ねぇ。
すぐに見つかって、よかったな。
クラウンピース:
ああ、ほんとによかった! 助かったよ。
……クスッ。きゃはははは!
クラウンピース:
まんまとダマされたな! この炎を見て、
あんたも狂っちゃえ……って、あれ?
クラウンピース:
あれれ? いつもの松明と、なんか違うような。
能力も発動しないし……これって普通の松明!?
藤原 妹紅:
どうした? 予定通りにいかないって様子だな。
私に奇襲を仕掛けようなんて、いい度胸だ。
クラウンピース:
なっ! あんた、最初から知ってたのか?
藤原 妹紅:
ああ、そうとも。あとをつけていたら、
いかにもな場所に松明を突き立てていたから。
クラウンピース:
ぐぬぬぬっ。あんたが偽物とすり替えたのか。
あたいを見くびるなよ。絶対に見返してやる!
藤原 妹紅:
それなら、私と正々堂々、勝負しよう。
お前の松明は返すから。
クラウンピース:
じ、上等だ!
地獄を見せてやる。くらえーっ!
藤原 妹紅:
さっき、松明の炎を見て狂え、と言っていたな。
じゃあ見なければいいってことか?
クラウンピース:
ひ、卑怯だぞ!
ちゃんと正々堂々と戦え!
藤原 妹紅:
卑怯? お前にだけは言われたくない、なっ!
クラウンピース:
うぎゃーっ! じ、地獄だぁ~!!
藤原 妹紅:
逃がすか! 人をなめてかかったことを
とことん後悔させてやるぞ!