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博麗神社
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伊吹 萃香:
あ~、面倒くさい。宴会の後片付けなんて、
鬼のやることじゃないわ。
伊吹 萃香:
神社のことなんだから、
霊夢が一人でやるのが筋だろ~?
博麗 霊夢:
あのバカ騒ぎ、あんたがやりたがったんでしょ。
後片付けまでが宴会よ。最後まで付き合うの。
伊吹 萃香:
はいはい。……あ、このゴミは、魔理沙のだな。
あの宴会芸、すごい盛り上がりだったねえ。
博麗 霊夢:
この大量の空き瓶は、輝夜と妹紅の呑み比べね。
お互い一歩も退かなくて、かなり白熱してたわね。
伊吹 萃香:
吸血鬼のメイドが出したつまみも、絶品だったなあ。
人形遣いの料理も、なかなかのものだった。
博麗 霊夢:
……ゴミだけで色々と思い出すわね。まったく、
好きにどんちゃん騒ぎしてくれちゃって。
伊吹 萃香:
ついさっきまで、あんなに賑やかだったのに。
ここにはもう、その名残しか残ってない、か。
伊吹 萃香:
えっと、ゴミ集めはこれくらいかな?
いやぁ、ゴミにも個性が出るもんだねぇ。
博麗 霊夢:
ちゃんと分別までしなさいよ。
集めっぱなしじゃ、こっちが困るんだから。
伊吹 萃香:
かったるいなぁ。えーっと、
燃えるのはこっちで、酒瓶はあっちで……、と。
伊吹 萃香:
ほら、一丁あがり。私の萃める能力にかかれば、
ゴミの分別なんて、こんなもんだよ。
博麗 霊夢:
つくづく便利ね。わざわざ拾わずに、最初から
全部そうやって萃めればよかったんじゃない?
伊吹 萃香:
あー、それもそうだねえ。
でも、なんとなく、そうはしたくなくてさ。
伊吹 萃香:
後片付けも含めて宴会でしょ?
……楽しい時間は、長く続くほうがいいじゃないか。
博麗 霊夢:
幻想郷の連中は、どいつもこいつも
騒ぎ好きなんだから、またすぐ開かれるわよ。
伊吹 萃香:
……うん、そうだね。
楽しみにしてるよ、次の宴会のことも。
博麗 霊夢:
まあ、片付けのお礼として、
お茶くらいは出すわ。上がっていきなさい。
伊吹 萃香:
おっ、それじゃ、お言葉に甘えて。
ところで、酒は出ないの?
博麗 霊夢:
あれだけ呑んだのに、また呑むつもり?
出ないに決まってるでしょ。
伊吹 萃香:
つれないなぁ。……でもまあ、
たまにはそういうのも悪くないか。