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守矢神社
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射命丸 文:
……はい?
ロープウェイの警備はどうしたのか、ですか?
東風谷 早苗:
ええ。いつもなら、参拝客の皆様の安全のため、
ロープウェイの行き来には天狗の警備がつくでしょう?
東風谷 早苗:
でも、今日は朝から見かけなくて……。
私が代わりについているのですけど。
射命丸 文:
むむ。ロープウェイの警備は白狼天狗の仕事だから、
部署が違う私に言われても……。
射命丸 文:
あ、そういえば。明日、天狗の大宴会があるから
白狼たちが準備に駆り出されてるんだったっけ。
東風谷 早苗:
ああ、そうだったんですね。
それで、警備はいつごろ再開されるのですか?
射命丸 文:
そうねぇ……夕方には戻ってくると思うけど。
東風谷 早苗:
夕方!? それじゃ困ります~!
東風谷 早苗:
これから、お客様が来るんです。私はお出迎えの
準備があるから、誰かに警備を頼みたくて……。
東風谷 早苗:
そうだ、文さん! お願いできませんか!?
射命丸 文:
えっ、私が!?
東風谷 早苗:
あなたは優れた鴉天狗だから、なんの問題も
起きないだろうし。安心して任せられるわ!
射命丸 文:
ま、まあね。そういうことなら、
私が警備をやってあげてもいいわよ。
射命丸 文:
ところで、お客様って誰が来るの?
東風谷 早苗:
ええと、霊夢さんと魔理沙さん、それと……
たしか、地上の鬼と地底の鬼も来るとかって。
射命丸 文:
げ。
東風谷 早苗:
とにかく、あなたが引き受けてくれてよかった。
これで準備に取り掛かれるわ!
射命丸 文:
あ、あ~! なんだか、どこかで素敵なネタが
私を呼んでる……ような気がするわ~!
東風谷 早苗:
えっ? ちょ、ちょっと……!
射命丸 文:
これは今すぐ行かないと! 敏腕記者として!
警備なんてしてる場合じゃないですね! ええ!
射命丸 文:
では、これにて失礼!
東風谷 早苗:
え、えっと……。
そういえば、天狗って鬼が苦手なんだっけ……。