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人間の里
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風見 幽香:
さっきから、誰かがつけてきているわねぇ……。
天狗かしら?
射命丸 文:
おっと! マズい、気づかれたか?
相手は、あの風見幽香。慎重にいかなくては。
射命丸 文:
里の花屋を困らせる原因不明の不作……。
絶対あの妖怪が絡んでるに違いないわ。
射命丸 文:
正義のブン屋、射命丸文の名にかけて!
なんとしてでも、真相を暴いてみせますよ!
風見 幽香:
やれやれ、何をやってるんだか。
まあ、しばらく放っておきましょう。
風見 幽香:
ああ、お待ちどおさま。
こちらが約束のものですよ。
射命丸 文:
ほうほう、人間に何かを渡している……?
ますます怪しいですよ!
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人間の里・曲がり角
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風見 幽香:
あの天狗、まだつけてきているみたい。
いいかげん、うっとうしいわね……。
射命丸 文:
あれは、地面に何かを埋めてる……?
これはもうクロ確定ね! 突撃取材です!
射命丸 文:
ちょっとお話いいですか! いったい何を……。
射命丸 文:
って、うわわ! 急にひまわりが咲いて、種がぁ!?
風見 幽香:
どう? ひまわり種マシンガンの威力は。
見事な大輪でしょう?
射命丸 文:
いたたた! 思ったよりも種が鋭くて痛いですー!
射命丸 文:
こ、こうして記者を攻撃するということは、
例の花の不作、やっぱり貴方が犯人なのですね!?
風見 幽香:
ああ、それで……。でも、私が犯人?
花を愛でるのが趣味の、この私が?
射命丸 文:
言い訳は通用しません! 私は見ましたよ。
何か怪しいものを人間に渡す瞬間を!
風見 幽香:
怪しいもの……って、ああ。あの薬のこと?
あれは、花の病気を治すためのものよ。
射命丸 文:
は? 花の病気……?
風見 幽香:
そう。私の調べによると、花の不作は、
外の世界から来た病気が原因みたいなの。
風見 幽香:
私は、それを治す薬を作ったのよ。
貴方が見たのは、それを分けていたところ。
射命丸 文:
……嘘は、ついてないみたいですね。
ということは、私の勘違い……!?
射命丸 文:
は、ははは。いやー、すみませんでした。
それじゃ記事を変更しましょう!
射命丸 文:
『特集 フラワーマスターの善行!』
とかどうです? なんなら一面記事に……。
風見 幽香:
お断りよ。
射命丸 文:
あ、ちょ、まっ……。
ぎゃー! い、痛っ、いたたたたた!
射命丸 文:
えっちょっと! 両腕にツタが絡んできたんですが!?
ゆ、幽香さん!?
風見 幽香:
そこでしばらく反省してなさい。
最大威力のひまわり種マシンガン、味わって?
射命丸 文:
そんなご無体なぁ!
もう、強い妖怪に手を出すと、後が大変ね……。