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守矢神社
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河城 にとり:
頼むよー。ちょっと雨を降らせるだけだからさ。
うちのキュウリ畑に、お恵みを~。
東風谷 早苗:
お断りです。
そんな私利私欲のために、奇跡は起こせません。
河城 にとり:
そこをなんとか……、雨を降らせてくれたら、
キュウリを分けてあげるよ。一月分くらい。
東風谷 早苗:
いりません。というか、そんなもので
釣られるわけないじゃないですか。
河城 にとり:
くそー。なら、参拝客を増やす手伝いをする!
多額のお賽銭だって納めてあげるし。
東風谷 早苗:
お手伝いに、お賽銭ですか。それはちょっと、
心惹かれるものがありますね……。
河城 にとり:
おっ、そういうことなら……。
東風谷 早苗:
でも、やっぱりお断りです。
そう差し迫った問題ってわけでもないし。
河城 にとり:
ちぇっ、なんだよ。
こうなったら、もうアレしかないな……。
河城 にとり:
それじゃあ、雨を降らせてくれたら、
貴方のためだけにロボットを作ってあげる!
東風谷 早苗:
ロ、ロボット……、ですか?
河城 にとり:
たしか好きだったよね?
引き受けてくれたら、望み通りの専用機を作るよ。
河城 にとり:
だから、お願い! この通り!
東風谷 早苗:
むむむ……! そ、そこまで言うなら、
仕方がないですね。引き受けましょう。
河城 にとり:
ほんと? やったー、ありがとう!
これでキュウリ不足は、避けられるぞ!
東風谷 早苗:
それじゃ報酬は、キュウリ一ヶ月分とお手伝い。
お賽銭と、オリジナルのロボットで決まりですね。
河城 にとり:
……え? 全部なの?
報酬は、ロボットだけじゃ?
東風谷 早苗:
そんなわけないですよ。なんたって奇跡を
起こすんだから、これくらいはいただかないと。
河城 にとり:
……はぁ。交渉の仕方を間違えたな。
神様の奇跡は、そんなに安くないか。