--------------
霧の湖
--------------
河城 にとり:
何を考え込んでるのかと思えば……、
かき氷が不評で悩んでるって?
チルノ:
そう。この前のお祭りでも、全然人気なくてね。
何がダメだったのかな……。
河城 にとり:
まあ確かに、お前のかき氷は見た目も平凡で、
味も一種類しかない。人気は出ないだろうな。
チルノ:
ええ、そんな~。それじゃ、
あたいは、どうすればいいの?
河城 にとり:
ふふん! まあ、私に任せろ。
まずは、そうだなぁ……。
河城 にとり:
今のかき氷は普通だから、新しい食感を考えよう。
例えば、氷をフワフワにしてみたりとか。
チルノ:
ふむふむ。フワフワな氷ね……こんな感じかな?
河城 にとり:
おお、いい感じ! でも、できたら、
もうちょっとだけ固めでもいいかも。
河城 にとり:
お次は、シロップかな。
ここをしっかり考えないと見栄えも悪くなる。
河城 にとり:
とりあえず、みんなの好みを
片っ端から聞いて回るんだ。それを基に考える。
チルノ:
りょうかい!
何味が好きなのか、みんなに聞いてみるよ!
河城 にとり:
あとは……、盛り付けかな。どんな風に盛るか、
氷以外にも、何か果物を載せてみるとか。
チルノ:
わかった! それなら、スイカを載っけてみる。
よーし、最強のかき氷を作るぞー!
チルノ:
わーい! 本当にできた! んむっ。
氷がフワフワしてて、ホントおいしい!
河城 にとり:
ようやく完成したね。スイカも載ってるし、
シロップは七色にかかってて、彩りもバッチリ!
河城 にとり:
さて、後はどこに店を構えるかだな……。
チルノ:
え、店? なんのこと?
河城 にとり:
なんのことって、そのために作ったんだろう?
幻想郷で一番人気の、かき氷屋になるように。
チルノ:
そうなの? あたいはただ、
おいしいかき氷を作りたかっただけだよ。
チルノ:
そうだ。せっかく完成したし、
みんなにも食べてもらおーっと。
河城 にとり:
ちょ、ちょっと待て!
まさか、タダで食べてもらうわけじゃないよな!
河城 にとり:
最強のかき氷が完成したんだ!
次は二人で、売上最強のかき氷屋になろうー!