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守矢神社
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犬走 椛:
すみません。今週分の、索道の
警備日誌をお持ちしたのですが。
東風谷 早苗:
ご苦労様です。入れ違いにならなくてよかった!
これから留守にするところだったんです。
東風谷 早苗:
皆さんが安全にお参りできるのも、
貴方がたのおかげ。いつもありがとうございます。
犬走 椛:
べ、別に……仕事なので。
上に命じられれば、従うだけです。
東風谷 早苗:
きちんと役目を果たすって、立派なことですよ!
あ、よかったら休憩がてら、お茶でも……。
犬走 椛:
(はじめは得体の知れない連中だと思っていましたが、
早苗さんは、ずいぶん人のいい方です)
犬走 椛:
(こうやってねぎらってくれる人がいれば、
普段のお役目も、もっと頑張れるのに……)
東風谷 早苗:
あの、どうかしましたか?
犬走 椛:
なんでもないです! お気遣いありがとうございます。
でも、今から出かけるところなのでは?
東風谷 早苗:
あっ、そうでした!
河童のみなさんと約束していて……。
犬走 椛:
河童と約束ということは、
玄武の沢まで?
東風谷 早苗:
ええ。参拝客の新しい移動手段について、
色々と相談させてもらってるんです。
東風谷 早苗:
……題して!!
『守矢神社・ヘリコプター送迎プロジェクト』!
犬走 椛:
へ、へり……?
東風谷 早苗:
外の世界の乗り物です。かっこいいですよ!
お山の上を、ビューンとひとっ飛び!
東風谷 早苗:
索道より速いですし、
人気が出ると思うんですよね!
犬走 椛:
ビューンと、ってことは、空を飛ぶのですか?
その……ヘリなんとか……?
東風谷 早苗:
ええ! あ、でも天狗の皆さんが、
プロペラに巻き込まれないようにしないと……。
東風谷 早苗:
バラバラになって死んじゃいますもんね。
安全対策が必要だわ。
犬走 椛:
バラ……っ、死……!?
東風谷 早苗:
貴方のおかげで課題点が見つかりました。
ありがとうございます! それではまた~。
犬走 椛:
根はいい人なんだろうけど……。
やっぱりこの神社は、変わり者ばかりなのね。
犬走 椛:
これ以上、山が騒がしくなるのも、妙なモノを
飛ばすのも、勘弁してほしいなぁ……。