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守矢神社
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東風谷 早苗:
ひい、ふう、みい、と……。
いやあ、今回のお祭りは儲かりましたねえ!
八坂 神奈子:
本当にね。それじゃ、酒を買うとしよう!
それだけあれば、百升はいける!
東風谷 早苗:
あ、ダメですよ! このお金は全部貯金して
今後のお祭りの予算に使うんですから。
八坂 神奈子:
将来のための貯金は、確かに大切だけど……。
全部っていうのは、ちょっと真面目過ぎない?
東風谷 早苗:
いいえ。神奈子様が無駄づかいしすぎなんです!
最近だって、高いお酒を買ったじゃないですか。
高麗野 あうん:
お二人さーん、打ち上げの準備ができましたよ。
里の方たちが、お酒やお料理を持ってきてます!
八坂 神奈子:
待ちくたびれたよ!
さあ、早くみんなで行こうか!
八坂 神奈子:
ふふふ、やっぱり宴会は楽しいものだね。
ところで早苗、昔来た酒屋の主人を覚えてる?
八坂 神奈子:
あの後、元気なお子さんが生まれたそうだよ。
ご利益があったって、大喜びだった。
東風谷 早苗:
ヒック! あ、ありがひゃいですね!
日ごろの苦労が、む、報われりゅようです!
東風谷 早苗:
わ、わらひもさっき、よく参拝に来てる方から
おうひぇんの言葉をいたひゃきました!
八坂 神奈子:
それはよかった。里の人と呑むお酒は
心地よく酔えるというもの。もう一杯いっちゃえば?
東風谷 早苗:
おい、そこのワン公! もっとお酒ちょ~だい!
一生のお願いだあら。一升だけに! わははは!
高麗野 あうん:
飲みすぎですよ。はい、この透明なのをどうぞ!
スッキリしてて、飲みやすいですよ。
東風谷 早苗:
ゴクゴクゴク……ちっがーう!
これ、お酒じゃない! お水だわー!
高麗野 あうん:
わーん! バレちゃいました!
お水で酔いを覚ますつもりだったのにー!
八坂 神奈子:
ふふふ、にぎやかで素敵じゃないか!
今宵の酒は、最上の味だね!
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翌朝
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東風谷 早苗:
うぅ、頭が痛い……。
昨晩は、さすがに飲みすぎたわ……。
東風谷 早苗:
……あれ? お祭りで稼いだお金は?
ここに置いてあったはずなのに!?
八坂 神奈子:
あら、覚えてないの?
早苗が全部使っちゃったよ。
八坂 神奈子:
「幻想郷にある酒を全部持ってこーい!」って
全員に大盤振る舞い! 太っ腹だったねえ。
東風谷 早苗:
ええええ! そんなあ……!
八坂 神奈子:
まあまあ、いいじゃないの。
昨夜は美味しいお酒をたくさん呑めたんだから。
東風谷 早苗:
よくありません!
もうお酒なんて、こりごりですー!