--------------
守矢神社
--------------
八坂 神奈子:
おや、白狼天狗じゃないか。
守矢神社に、何かご用?
犬走 椛:
上司から哨戒を命じられただけです。
……ところで、今日の境内は変じゃないですか?
犬走 椛:
右も左も妖怪だらけ。しかも全員
目が血走っていて、何かに憑かれているみたい。
犬走 椛:
これはまるで、異変です!
もしや、守矢神社が何か関係しているのでは?
八坂 神奈子:
まあ確かに、私たちが原因だと言えるが……。
でも、まだ秘密だ。そのうち教えてあげよう。
犬走 椛:
(この怪しい微笑み。もしや、何か悪事を!
……捕まったらマズい!)
八坂 神奈子:
あら、走ってどこかに行っちゃった。
もしかして、何か勘違いさせちゃったのかしら?
--------------
一週間後
--------------
犬走 椛:
しばらく神社の密偵を続けてきたけど……、
目が血走った妖怪は、増える一方だわ。
犬走 椛:
こうなったら、妖怪から直接話を聞いてみよう。
警戒されないように、つけひげで変装して……。
犬走 椛:
収穫はナシ。全員不自然なくらい無口だわ。
……やっぱり、あの神社には秘密があるようね。
チルノ:
あっ、ターゲット発見! つかまえろー!
犬走 椛:
しまった! は、放せ!
八坂 神奈子:
よく捕まえました。優勝は、氷の妖精よ!
はい、賞品をあげる。知恵のお守り!
犬走 椛:
くっ……私をどうするつもりだ!
八坂 神奈子:
どうもしないよ。
ただ、こういうイベントを楽しんでいただけ。
犬走 椛:
これは……貼り紙?
「第3回トレジャー祭 白狼天狗を捕まえろ」?
八坂 神奈子:
守矢神社では、定期的にこういうイベントを
やっているんだ。参拝客を集めるためにね。
チルノ:
みんなで集中して真剣勝負!
あたいも、すごい必死で探したんだから!
八坂 神奈子:
次やる時は、天狗も誘おうと思っていたんだよ。
それなのに勝手に勘違いしちゃって……。
八坂 神奈子:
早く誤解を解いてもよかったんだけど、
面白いから、今回の企画に利用させてもらったわ。
犬走 椛:
そ、そんなあ……。
じゃあ、今までの私の苦労は……。
八坂 神奈子:
どう? 探される側でのイベントは
楽しかったでしょ?
犬走 椛:
まったく楽しくありません!
もう、やっぱり守矢神社は、悪い神社です!