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守矢神社
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八坂 神奈子:
あら、寺子屋の先生。いらっしゃい。
教え子たちは一緒じゃないのね。
八坂 神奈子:
よかったら今度、子供たちを神社に
連れて来ない? いろいろなご利益があるよ。
上白沢 慧音:
そうだな、たまには課外授業というのもいいか。
お言葉に甘えて、みんなでお邪魔しようかな。
八坂 神奈子:
(子供たちに信仰心を植え付けるチャンスだわ。
将来は、守矢神社の立派な信徒に……!)
上白沢 慧音:
それにしても、最近は暑くてたまらないな……。
子供たちが熱中症にならないか心配だ。
上白沢 慧音:
休憩時間には水分を取らせないと……。
すまないが、この神社にお茶はあるか?
八坂 神奈子:
早苗! 人間の里まで行って
お茶っ葉を買ってきてもらえる?
東風谷 早苗:
わかりました。夕方にお店が閉まっちゃうので
参拝客が減ったら、すぐに行きます!
上白沢 慧音:
ありがとう。……あと、子供たちのために
お守りがほしい。みんな大喜びするだろう。
東風谷 早苗:
あ、実はさっき売り切れちゃったんですよ。
……子供たちは何人来るんですか?
上白沢 慧音:
40人の予定だ。
東風谷 早苗:
40個かぁ。お守りって、刺繍とかいろいろ
手間がかかるし、徹夜でも間に合わないかも……。
上白沢 慧音:
それなら仕方ない……。子供がガッカリすると
いけないから、博麗神社に訊きに行こう。
八坂 神奈子:
あ、待ちなさい! 博麗神社に行ってはダメよ。
あそこは巫女があんなだし、ご利益がない。
八坂 神奈子:
(博麗神社はきっと、お守りの在庫の山。
子供たちは大喜びで、博麗神社の信徒に……)
八坂 神奈子:
私が早苗を手伝って、お守りを準備するわ。
明日は絶対に、守矢神社「だけ」に来なさい。
上白沢 慧音:
そ、そうか。わざわざ神様が……。
それなら、守矢神社だけに来るとしよう。
上白沢 慧音:
それでは、私は家に帰ろう。……ん?
よく見ると、意外と境内が散らかってるな。
上白沢 慧音:
いつも整理整頓をするよう指導しているから、
教育上よくないな。やはり行き先は、博麗……
八坂 神奈子:
待って! これは、昨日がお祭りだったからよ。
諏訪子も呼んで、明日までには片付けるわ。
八坂 神奈子:
だから、明日は絶対に、守矢神社に来なさい。
いい? ぜーったいによ!
上白沢 慧音:
あ、ああ。そこまで言うのなら……。
なんだか、いろいろ迷惑をかけたな。それでは。
八坂 神奈子:
はあ……。なんとかなって、よかった。
教育熱心な人の相手は疲れるね。
東風谷 早苗:
神奈子様……。明日までに間に合いますかね?
買い出し、お守りの準備、お掃除……あわわわ!
八坂 神奈子:
絶対に間に合わせるよ。
さあ、一緒にがんばりましょう!
東風谷 早苗:
は、はい! えい、えい、おー!