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人間の里
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火焔猫 燐:
あ、こいし様! ここにいたんですか!
古明地 こいし:
あ、お燐だー。ねぇねぇ、聞いて!
これから人間の女の子と一緒に遊ぶの。
火焔猫 燐:
えっ? 人間の女の子? 一緒に遊ぶ?
古明地 こいし:
うん。この前、里に立ち寄ったときに
仲良くなった子なんだ。
古明地 こいし:
いつの間にか、懐かれちゃってね。
今度また遊ぼうねって約束したの。
火焔猫 燐:
こいし様に、お友達ができるなんて!
さとり様も、きっと喜びますよ!
古明地 こいし:
やっぱりお姉ちゃんに言われて探しにきたんだ。
ちょっと待っててほしいな。遊んだら帰るから。
火焔猫 燐:
わ、わかりました!
せっかくの機会を、邪魔しちゃ悪いですもんね!
火焔猫 燐:
じゃ、あたいは、あっちの木の裏に隠れてます!
火焔猫 燐:
(こいし様、すごく嬉しそうにしてる。いったい
どんな子なんだろう……あ、来たかな?)
古明地 こいし:
久しぶりー!
今日は、いっぱい遊ぼうね!
人間の女の子:
……お姉ちゃん、だれ? 遊んでくれるの?
わぁい! 私、暇だったから嬉しい!
古明地 こいし:
……んー?
火焔猫 燐:
(あの様子、まさか……
こいし様と遊んだことが、記憶にない!?)
火焔猫 燐:
(よし……、こうなったら、あたいが!)
人間の女の子:
あ、黒猫ちゃんだ! きゃふふ、くすぐったい!
お姉ちゃん、この子、すっごく人懐っこいよ!
古明地 こいし:
お燐……。うん、そうだね!
今日は、この猫ちゃんと一緒に遊ぼう!
人間の女の子:
わーい、楽しそう!
人間の女の子:
お姉ちゃん、黒猫ちゃん、バイバーイ!
今日のこと、絶対忘れないからね!
古明地 こいし:
えへへ。私のこと、覚えてなかったみたい。
……でも、お燐、ありがとね。
古明地 こいし:
お燐が黒猫になって出てきてくれたおかげで、
いい思い出ができたよ。
火焔猫 燐:
よかったです。たとえ、忘れられてしまったとしても、
また遊んで、思い出を作ることはできますから。
古明地 こいし:
そうだね、うん……うん!
火焔猫 燐:
あ、閃いた! 今度は、猫車で死体運びなんて
どうですか? すごく楽しいと思いますよ!
古明地 こいし:
なにそれ、楽しそー!
あの子も、きっと喜んでくれるよ!
火焔猫 燐:
ふふっ、そうですね!
また三人で、いい思い出を作りましょう!