-------------- 命蓮寺 お墓 -------------- 火焔猫 燐: いやぁ、ここは死体がザックザク獲れるねぇ。 住職たちが留守の今のうちに~、っと……。 高麗野 あうん: あれ、誰だろう……? あ、こらー! なんて罰当たりなことを! 火焔猫 燐: ん、なになに? ……って、な~んだ。狛犬か。 高麗野 あうん: あなた自分が何をしているか、わかってるの? ここは、神聖なお寺なのよ。 高麗野 あうん: それなのに、墓荒らしだなんて……。 命蓮寺を守護する者として、許せないわ! 火焔猫 燐: 神社の狛犬のくせに、うるさいなー。 そうだ、こうなったら……。 火焔猫 燐: いま獲れたばかりの新鮮な死体を操って、 アッと驚かせてやる! 高麗野 あうん: きゃー! 死体が動いた! やだ、こっちにこないで! 高麗野 あうん: い、いや、怖がってちゃダメ。 私は、神聖な狛犬なんだもの……。 火焔猫 燐: もしかして、あたいを止めるつもり? そんなことしたって、無駄だよ~……ん? 火焔猫 燐: お、おかしいな。急に死体が動かなくなったぞ! ひょっとして、この狛犬の影響……? 高麗野 あうん: え、わ、私なにかした? 火焔猫 燐: 死体を止めてしまうなんて……。 何か特別な力でも持ってるのか? 高麗野 あうん: ……もしかして、神域を守護する狛犬の力で、 邪気を払ったのかもしれないわ。 高麗野 あうん: 死体を操るその能力って、 神仏の教えを冒涜する邪気にあふれてるし。 火焔猫 燐: くぅ~、場所も相手も悪かったってことかい! 高麗野 あうん: さあ、どうするの? これで、罰当たりな行為はできないわよ! 火焔猫 燐: 仕方ない。今日のところは退散だ! 狛犬がいない日を狙えば、きっと大丈夫だし……。 高麗野 あうん: させないわ! あなたがまた悪さしないよう、 定期的に見回りするからね。 火焔猫 燐: ええー! この狛犬のせいで、 死体集めがやりづらくなっちゃうよ~!