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地霊殿
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霊烏路 空:
あれ、こいし様。
戻っていたんですね。おかえりなさい!
古明地 こいし:
……あ、お空。ただいまー。
霊烏路 空:
ん? なんか元気ないですね。
どうかしたんですか?
古明地 こいし:
うん、聞いてよ。里のお店でね、
可愛いクシを見つけたんだけど。
古明地 こいし:
店主さんに気づいてもらえなくて。
ずーっと並んでたのに買えなかったんだー。
霊烏路 空:
ええ!? そりゃ、かわいそうに。
なら、私と今から買いにいきましょ!
古明地 こいし:
え? いいの? やったぁ!
お空、優しいのね!
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人間の里
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霊烏路 空:
わぁ、人間だらけ!
念のために変装してきて、よかったー。
古明地 こいし:
すごいすごい! みーんな、こっちを見てる!
きっと、お空が背高ノッポだからよ。
霊烏路 空:
目立っちゃってますねぇ……って、わわ!
なんで急に、背中にくっついて?
古明地 こいし:
えへへ。こうしてると、
みんなが私を見てるみたい!
霊烏路 空:
うふふ、こいし様も目立っちゃいますね。
……そういえば、言ってたクシ屋はどこに?
古明地 こいし:
ええっとねー、あ、ここ!
すみませーん。この花柄のクシをくださいな。
クシ屋の店主:
いらっしゃい! お客さんなら、
この大きめのやつはどうかな?
霊烏路 空:
えーと、買いたいのは私じゃなくて……。
ほら、こっちの、こいし様が!
古明地 こいし:
あのー、もしもーし。
店主さん、これくださーい。
クシ屋の店主:
おっと。気づかなくて悪かったね、お嬢ちゃん。
このクシならピッタリだと思うよ。毎度あり!
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地霊殿
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古明地 こいし:
やったやった! 買えちゃった!
お空、今日はありがとう。
古明地 こいし:
お礼に、さっきのクシで、髪をといてあげる。
後ろ向いて座って!
霊烏路 空:
えへへ。お願いします……って、
なんで、また私にくっついてるんですか?
古明地 こいし:
お空は大きくて目立つから、いーなーって。
……ねぇねぇ、また頼ってもいい?
霊烏路 空:
ええ、喜んで!
また一緒に出かけましょうね、こいし様!