-------------- 地霊殿 -------------- 霊烏路 空: あれ、こいし様。 戻っていたんですね。おかえりなさい! 古明地 こいし: ……あ、お空。ただいまー。 霊烏路 空: ん? なんか元気ないですね。 どうかしたんですか? 古明地 こいし: うん、聞いてよ。里のお店でね、 可愛いクシを見つけたんだけど。 古明地 こいし: 店主さんに気づいてもらえなくて。 ずーっと並んでたのに買えなかったんだー。 霊烏路 空: ええ!? そりゃ、かわいそうに。 なら、私と今から買いにいきましょ! 古明地 こいし: え? いいの? やったぁ! お空、優しいのね! -------------- 人間の里 -------------- 霊烏路 空: わぁ、人間だらけ! 念のために変装してきて、よかったー。 古明地 こいし: すごいすごい! みーんな、こっちを見てる! きっと、お空が背高ノッポだからよ。 霊烏路 空: 目立っちゃってますねぇ……って、わわ! なんで急に、背中にくっついて? 古明地 こいし: えへへ。こうしてると、 みんなが私を見てるみたい! 霊烏路 空: うふふ、こいし様も目立っちゃいますね。 ……そういえば、言ってたクシ屋はどこに? 古明地 こいし: ええっとねー、あ、ここ! すみませーん。この花柄のクシをくださいな。 クシ屋の店主: いらっしゃい! お客さんなら、 この大きめのやつはどうかな? 霊烏路 空: えーと、買いたいのは私じゃなくて……。 ほら、こっちの、こいし様が! 古明地 こいし: あのー、もしもーし。 店主さん、これくださーい。 クシ屋の店主: おっと。気づかなくて悪かったね、お嬢ちゃん。 このクシならピッタリだと思うよ。毎度あり! -------------- 地霊殿 -------------- 古明地 こいし: やったやった! 買えちゃった! お空、今日はありがとう。 古明地 こいし: お礼に、さっきのクシで、髪をといてあげる。 後ろ向いて座って! 霊烏路 空: えへへ。お願いします……って、 なんで、また私にくっついてるんですか? 古明地 こいし: お空は大きくて目立つから、いーなーって。 ……ねぇねぇ、また頼ってもいい? 霊烏路 空: ええ、喜んで! また一緒に出かけましょうね、こいし様!