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灼熱地獄跡
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火焔猫 燐:
お空~、今日の分の燃料を運んできたよ。
こっちに置いとくね。
霊烏路 空:
お燐、待ってたよ!
いつもありがとう。
火焔猫 燐:
お安い御用さ。ところで、お空。
ちょっと気になる話を聞いちゃってさ。
火焔猫 燐:
山にいた死体がね、
魚が夜空を泳いでいるのを見たって言うんだよ。
霊烏路 空:
魚が夜空を!? それは……食べられるの?
火焔猫 燐:
待った待った。そう易々と信じるもんじゃない。
見間違いかもしれないだろ?
霊烏路 空:
なら、今すぐ確かめに行こう!
もしかしたら、ものすごーく美味しいかも!
火焔猫 燐:
まあ、確かめるだけの価値はありそうだね。
……って、お空!? 待ってってばー!
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妖怪の山
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霊烏路 空:
うわぁ~~~! お燐、上見てよ上!
星が、すっごく綺麗!
火焔猫 燐:
おお~! いいねぇ、満天の星空だねぇ。
こうやってちゃんと見上げたのは、はじめてかも。
火焔猫 燐:
星には、それぞれ名前があるらしいけど……
こんなにあったら、名付け放題じゃないか。
霊烏路 空:
へぇ! じゃあ、あの赤い星はなんて名前だろ。
宝石みたいに綺麗だから、ルビーかなぁ。
火焔猫 燐:
あはは! お空は名付けのセンスが
あるかもしれないね。
霊烏路 空:
ねぇねぇ、お燐。あの星を持ち帰ったら、
さとり様たち、きっと喜ぶと思わない?
霊烏路 空:
ずーっと高くまで飛んで行けば、星に届くかも!
ちょっと行ってくる!
火焔猫 燐:
ちょっとー、お空! 何しに来たか忘れたの?
あたいたちは、魚の正体を……。
火焔猫 燐:
あれ? お空の影が、すいすい泳いで……、
そうか! そういうことだったのか!
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地霊殿
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霊烏路 空:
あー、楽しかった!
また地上に星を見にいこうね、お燐!
火焔猫 燐:
もちろん。……それより、
夜空にいたっていう魚の正体が、わかったんだ。
火焔猫 燐:
きっと、飛んでいる妖怪の影だったんだよ!
霊烏路 空:
……魚? なんだっけ、それ。
あ、さとり様だ! おかえりなさーい!
火焔猫 燐:
ええ!? もう覚えてないのかい?
まったく、お空って奴は……。
霊烏路 空:
さとり様ー! お燐と地上に行ってきたんです!
それで、星ってすーっごく綺麗なんですよ!
火焔猫 燐:
やれやれ。……ま、楽しかったならいっか!