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迷いの竹林
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霊烏路 空:
うぅ、どうしよう。迷っちゃったよ~。
……あ、いいこと思いついた!
霊烏路 空:
ここを焼き払っちゃえばいいんだ!
そしたら出られるもんね! いっくぞー。
藤原 妹紅:
おい! ちょっと待て!
藤原 妹紅:
はぁ……間に合ってよかった。
もし燃やしていたら、大変なことになってたぞ。
霊烏路 空:
た、大変なこと?
私はただ、この竹林から出ようと……。
藤原 妹紅:
……どうやら火の恐ろしさを知らないようだな。
話がある。ついてきてくれ。
霊烏路 空:
おー!
ここ、落ち葉とか枝がたくさんあるねー!
藤原 妹紅:
よく見てろよ。この落ち葉たちに、
ちょっと火をつけるだけで……。
霊烏路 空:
わあ!? 火がどんどん燃え移って……
落ち葉と枝が、あっという間に燃えちゃった!
藤原 妹紅:
地上は、岩に囲まれた地底と違って、
草や木のような、燃えやすいものが多いんだ。
藤原 妹紅:
さて、このツボの水で消火するぞ……そらっ!
……ふう、鎮火したな。
藤原 妹紅:
火は、一度広がったら、容易には止められない。
最悪の場合、仲間まで巻き込むかもしれないんだ。
霊烏路 空:
仲間まで……? お燐やさとり様たちも
大変なことになっちゃうってこと?
藤原 妹紅:
ああ。お前の火力は強いみたいだが、
だからこそ扱いには注意しないとダメだ。
霊烏路 空:
そっかぁ……! わかりました。
ありがとう、先生!
藤原 妹紅:
先生か……。なんだか恥ずかしいな。
慧音は、いつもこんな感じなのか。
霊烏路 空:
あ! あっちに火を使ってる妖精がいる!
危険なんだよって、教えてこなくちゃ!
藤原 妹紅:
いや、あれはただ
花火で遊んでいるだけみたいだが……。
霊烏路 空:
妖精たち、よく聞いて。
火は注意しないと、とっても怖いんだからね!
藤原 妹紅:
……まあ、いいか。自分の能力を正しく知ることで、
あいつはもっと強くなるはず。
藤原 妹紅:
そのときは手合わせして、経験の差ってものを
たっぷり見せてやろう。ふふ、今から楽しみだ。