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妖怪の山
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古明地 こいし:
わあ! 鬼さん、何それ?
すっごく重そう!
伊吹 萃香:
おー、こいしちゃんか!
この酒樽が気になるのかい? よっと。
古明地 こいし:
すごーい! そんなの、よく運べるね!
どうやって鍛えてるの?
伊吹 萃香:
お、興味ある? それならやってみようか。
世にも厳しい、鬼のトレーニングをさ。
古明地 こいし:
え、楽しそう! やるやる!
伊吹 萃香:
よしきた!
まずは、こういう大きな岩を持ち上げて……と。
伊吹 萃香:
これを目的地まで急いで運ぶんだ。
そうだな……守矢神社を目標にしよう。
古明地 こいし:
ええー!?
その岩、鬼さんよりも大きいよ!?
古明地 こいし:
うーん、そんな大きいのは無理だから……
私は代わりに、この石を運ぶね。うーんしょ!
伊吹 萃香:
お、頑張るねぇ。
じゃあ、私についてきな!
伊吹 萃香:
ありゃ、こいしちゃん大丈夫?
ちょっと飛ばしすぎたかな。
古明地 こいし:
はぁ……はぁ……。
クタクタだぁ。守矢神社が遠いよ~。
伊吹 萃香:
言った通り、鬼のトレーニングは厳しいだろ?
ま、よくついてきたよ。
古明地 こいし:
でも、すーっごく楽しかった! 毎日やって、
ぜったい守矢神社まで運べるようになるよー!
伊吹 萃香:
毎日だって!?
よーし。それなら私も、いっちょ張り切るか。
古明地 こいし:
はぁ……はぁ……。
やった、昨日より遠くまで運べちゃったよ!
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翌日
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伊吹 萃香:
こいしちゃん、すごいじゃないか!
今日も記録更新だ!
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数日後
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伊吹 萃香:
いい調子だ!
今日はもう、守矢神社が見えてきてるよ!
古明地 こいし:
はぁ……はぁ……。
あとちょっと! ぜったい運んでみせる!
古明地 こいし:
……着いた、守矢神社に着いたよ!
やったぁ~~!
伊吹 萃香:
ふぃ~~。まさか、本当に運んでしまうとは。
こいしちゃんは、もう一人前だな!
古明地 こいし:
えへへ。鬼のトレーニング、できちゃった!
でも、まだまだ。次は、もっと大きな石で!
伊吹 萃香:
あっはっは! いい根性じゃないか。
私も負けてらんないね!
古明地 さとり:
なんてことをしてくれたのよ。
貴方のせいで、うちのこいしが……!
古明地 さとり:
とんでもない怪力になって、
地霊殿のドアを、すべて壊してしまったじゃない!
伊吹 萃香:
あっはっはっは! やるなあ、こいしちゃん!
今度は、力の使い方を教えてあげなくちゃね!
古明地 さとり:
笑いごとではありません!
ドアの弁償代、きっちりいただきますからね!