-------------- 魔法の森 -------------- 多々良 小傘： 来たわね、紅い悪魔。今だ！ ベロベロッ！　バーーーーッ！ レミリア・スカーレット： ……何か用かしら？ 多々良 小傘： あ、えーと、驚きましたか？ レミリア・スカーレット： あなたの荒唐無稽さには驚いてるわ。 もう行っていい？ 多々良 小傘： ああ、待って！　聞きたいことが！ 実は最近、人間が驚いてくれないんです。 多々良 小傘： 吸血鬼として恐れられる貴方なら 上手な驚かせ方を知ってるかなーって。 レミリア・スカーレット： ふーん、私に聞くとは見込みがあるじゃない。 いいわ、あなたをプロデュースしてあげる！ 多々良 小傘： ほ、本当！？　ありがとうございます！ レミリア・スカーレット： まずは、そうね……スピードかしら。 ちょっと速く動けば、それだけで人間は驚くわよ。 多々良 小傘： スピードですね……。やってみます！ とう！　って、うわっ、たぁ～！！ レミリア・スカーレット： ……スピードはやめましょうか。 じゃあ、パワーかしら。例えば、こう！ レミリア・スカーレット： この程度の大岩でも砕いてみせれば、 人間なんてすぐ逃げ出すわよ。 多々良 小傘： や、やってみます。 はぁ～、ていっ！ 多々良 小傘： いった～い！！！ 無理無理、絶対無理です！ レミリア・スカーレット： こんなこともできないの？　情けないわねえ。 じゃあ見ててあげるから、自由にやってみなさい。 多々良 小傘： うう、じゃあさっき準備しておいた バケツで水をかける仕掛けを使います。 多々良 小傘： あ、ちょうどいいところに人間が！ ……よし、今だ！ レミリア・スカーレット： ……何も起こらないわよ？ 多々良 小傘： あ、紐が枝に引っかかってる！？ く、この……てーい！ レミリア・スカーレット： きゃあっ！　ちょっと、何するのよ！ こっちまで水が飛んできたじゃない！ 多々良 小傘： ご、ごめんなさい！ そんなつもりじゃ……って、あれ？ 多々良 小傘： 人間から恐れられる吸血鬼を驚かせたんだから これってある意味、成功ですよね？　やったー！ レミリア・スカーレット： ……そう、よかったわね。 じゃあ今度は、私があなたを驚かせてあげるわ！ 多々良 小傘： ひ、ひええー！　ごめんなさーい！！