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紅魔館
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多々良 小傘:
ごめんくださーい!
鍛冶のお仕事、何かお手伝いできませんか?
十六夜 咲夜:
あら、突然ねえ。でもカジか。
今日は立て込んでるし、手伝ってもらおうかしら。
多々良 小傘:
ええっ、皿洗いですか!?
十六夜 咲夜:
あら、嫌なの?
あんなにやる気だったのに?
多々良 小傘:
いえ、嫌というわけでは……。
わかりました、やらせていただきます!
多々良 小傘:
(これはサービス精神を試されてるのね……。
しっかりやらなきゃ)
十六夜 咲夜:
きれいにできてるじゃない。
じゃあ次は、洗濯をしてもらおうかしら。
多々良 小傘:
せ、洗濯ぅ!? あの、鍛冶仕事は……?
十六夜 咲夜:
あら、洗濯だって立派な仕事でしょ?
嫌ならいいのだけど。
多々良 小傘:
い、いえ、やります!
やらせてください!
十六夜 咲夜:
うん、よく洗えてるわ。
水仕事が上手いのは、傘の妖怪だから?
多々良 小傘:
あ、ありがとうございます。
で、鍛冶仕事は……。
十六夜 咲夜:
あら、まだやりたいの?
じゃあ、カジとは言えないかもだけど……。
十六夜 咲夜:
このドアの壊れた蝶番、直せないかしら?
多々良 小傘:
いやいや、これこそ鍛冶の領分ですよ!
お任せください!
十六夜 咲夜:
おお、お見事! まるで鍛冶屋さんみたい……。
って、ああ、そういうこと!
十六夜 咲夜:
今日は助かったわ。
勘違いしてしまってごめんなさいね。
多々良 小傘:
いえいえ! 喜んでもらえて何よりです。
十六夜 咲夜:
またメイドらしい「家事」のお手伝い、
お願いするわね。
多々良 小傘:
うっ。できれば、金属を扱う
「鍛冶」だけにしていただけると……。
十六夜 咲夜:
ふふ、残念。
こっちの才能もありそうなのに。