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聖輦船
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聖 白蓮:
お寺がなくて弟子たちにあまり会えないのは
寂しいけど、船旅もいいものね。
村紗 水蜜:
はい。ですが聖、命蓮寺の建造の際は、
また遠慮なく、この聖輦船をお使いください。
聖 白蓮:
村紗の心遣い、感謝するわ。でも、まだいいの。
もうしばらくは、船旅を楽しみましょう。
聖 白蓮:
……けど、私のいない間に、弟子たちが酒盛りして
戒律を破ってたりしていないかが気がかりだわ。
村紗 水蜜:
それなら、問題ないでしょう。
みんな聖のことを慕っておりますもの。
聖 白蓮:
でも、村紗……。
貴方、最近、お酒飲んだんじゃない?
村紗 水蜜:
の、飲んでませんわ。
聖ったらもー、人聞きの悪い。
聖 白蓮:
でも、聞いたわよ。前に宴会に参加したとき、
飲み比べでずいぶん盛り上がっていたって。
村紗 水蜜:
え? い、いやー……、人違いですよ。
聖 白蓮:
早苗から聞いたの。貴方がいたって。
村紗 水蜜:
あ、あの娘も下戸とはいえ酔ってましたから、
誰かと見間違えたんですって、きっと!
聖 白蓮:
じゃあ、この写真はどういうことかしら?
貴方が何を飲んでいるのか、教えて下さる?
村紗 水蜜:
……え!? えーっと、こ、これは水ですよ。
お酒に見える水! 甘い水、蜜の水……、
村紗 水蜜:
申し訳ございません。飲みました。
聖 白蓮:
宴会に行くのは構いませんが、飲酒はダメです。
戒律を破ったのでは弟子に示しがつきません!
村紗 水蜜:
す、すみません……。もう飲みません……。
村紗 水蜜:
(……だけど、今日も宴会なのよね。
目の前にあったら止めようがないわよ……)
聖 白蓮:
村紗、今日の宴会でも飲まないように。ね。
村紗 水蜜:
ヒッ! アハハ………。ええ、もう飲みませんって。
わかってますから……。