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聖輦船
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聖 白蓮:
あら? 誰か来たみたいね。
こんな朝早くに、どなたかしら。
霧雨 魔理沙:
……頼む!
私に、肉体強化の魔法を教えてくれ!
聖 白蓮:
誰かと思ったら、あなたでしたか。
また唐突ですね。
聖 白蓮:
しかし、肉体強化の魔法ですか。本来なら、
長期間お寺にこもっての修行が必要なのですが……。
聖 白蓮:
今回はおためしで、百礼をやってみましょう。
五体投地を、百回繰り返す修行です。
霧雨 魔理沙:
そんなもんでいいのか?
すぐに終わらせてやるぜ。
霧雨 魔理沙:
……49、50!
あ~、もうムリ!
霧雨 魔理沙:
こんなんじゃ、魔法を教えてもらうのは
まだまだ先のことになりそうだな。
聖 白蓮:
はじめてにしては、上出来ですよ。
実際、この半分でやめちゃう弟子もいますから。
霧雨 魔理沙:
これ結構キツいもんな~。
なあ、続けるコツとかってあるのか?
聖 白蓮:
コツではないですが、ご縁を意識することですね。
修行というのは、自分の力だけでは乗りきれません。
聖 白蓮:
ご縁があれば、何事も上手くいきますし、
なければ、何をやってもダメなものです。
霧雨 魔理沙:
ふーん、そういうもんか。
聖 白蓮:
でも、あなたは見込みがありますよ。
きっと修行に耐え抜き、魔法を体得できるでしょう。
霧雨 魔理沙:
ま、それほどでもあるかな。それじゃ、
見込みのある私に、さっそく魔法を教えてくれよ!
聖 白蓮:
それはできません。すべての修行を修めた人にしか、
教えてはいけない決まりなんです。
聖 白蓮:
今回はおためしですから、今度はちゃんとした
修行を受けに来てくださいね。
霧雨 魔理沙:
ちぇ。カンタンには教えてくれないか。
しょうがない。ヒマになったらまた来るぜ。
聖 白蓮:
はい。いつでもどうぞ!
聖 白蓮:
いつもあんな感じだけど、
あなたが努力家なことは、わかってますからね。