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人間の里
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聖 白蓮:
夜も更けて、祭りの賑わいも増してきましたね。
私の舞台も、あと少しで始まる……。
聖 白蓮:
でも、やっぱり心配。本当にアレで
みんなに喜んでもらえるのかしら……。
アリス・マーガトロイド:
……めでたしめでたし。
はい。劇はおしまい。
聖 白蓮:
あれは……?
子供:
面白かったよ!
お人形さんとおねえちゃん、ばいばーい!
聖 白蓮:
人形……、これだわ!
すみません! そこの人形師の方!
聖 白蓮:
私の舞台で、読経に合わせて
人形を踊らせていただけませんか?
アリス・マーガトロイド:
な、なによ急に。
って、アンタ命蓮寺の住職じゃない。
アリス・マーガトロイド:
たしか、舞台の大トリで読経やるのよね?
読経で人形を踊らせるって、どういうこと?
聖 白蓮:
実は、私のお経を聞くと、みんな寝てしまうのです。
けれど、人形の舞があれば、楽しんでもらえるはず!
アリス・マーガトロイド:
面白そうね。手伝ってあげる。せっかくの
お祭りだし、花火も上げて華やかにやりましょ。
聖 白蓮:
では、お願いしますね。
かんじーざいぼーさつぎょーじんはんにゃー……。
観客:
お経に人形、それに花火も?
こりゃあ面白い見世物だねぇ!
アリス・マーガトロイド:
(歓声が大きいと気持ちいいわ。
最後は派手な踊りで決めちゃおうっと。それっ)
聖 白蓮:
や、やった……。
最後までお経を聞いてもらえた! 大成功ね!
聖 白蓮:
この盛り上がりの中なら、普通に読経しても、
みんな聞いてくれるかも! かんじーざい……。
聖 白蓮:
え!? ウソ……。あんな盛り上がってたのに、
どうして、そんなすぐ寝ちゃうのよ~!
アリス・マーガトロイド:
驚いた……。アナタのお経って、
かなり強力な催眠術なのね。
聖 白蓮:
もう~違いますって~!!