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人間の里
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聖 白蓮:
こんなに遅くまで帰ってこないなんて、
どうしたのかしら、村紗……。
聖 白蓮:
里に出かけるとは言ってたけど……。
この屋台にいるかしら。ごめんくださーい。
上白沢 慧音:
おや、こんばんは。
住職さんも、いらしたのですね。
聖 白蓮:
住職さんも?
って、あら。奥の席にいるのは……。
村紗 水蜜:
うぃ~。まだまだぁいけましゅよぉ~!
もぉ~いっぱい! ……ぐぅ。
聖 白蓮:
村紗! ……はぁ。
またつぶれるまで飲んだのね。
聖 白蓮:
どうして、みんな戒律を破ってしまうのかしら。
上白沢 慧音:
弟子を導くというのは、大変なものですね。
私も、話を聞かない生徒に手を焼いています。
聖 白蓮:
村紗がご迷惑をかけてしまい、申し訳ありません。
ずいぶん付き合わせてしまったみたいで。
上白沢 慧音:
いえいえ、楽しかったですよ。よければ、
住職さんもこちらに座って、少し話しませんか?
上白沢 慧音:
せっかくですから、なにかいかがですか。
ここの煮しめは絶品ですよ。
聖 白蓮:
いえ、お気持ちだけありがたく。
こちらの水をいただきますね。
上白沢 慧音:
あ、まって! それ……。
聖 白蓮:
あ、あ……! ウソ。
こ、これ……、お酒だぁ~!
聖 白蓮:
あ~もう私、導師失格だあ~!!
上白沢 慧音:
だ、大丈夫ですよ~。ちょっとした不注意ですし、
そんな量、飲んだうちに入りませんから。
聖 白蓮:
だって、私が戒律を破ったと知れたら、
誰も守らなくなってしまうんじゃないかと……。
上白沢 慧音:
そんなこと、ありませんって。
お弟子さんたちも、ちゃんと、わかってくれますよ。
上白沢 慧音:
だから、これからも、真剣に彼らと向き合い、
ときどきここに集まって、二人でお話ししましょう。
聖 白蓮:
……私からもぜひ。あと、このことは
二人だけの秘密でお願いします……。