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神霊廟
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宮古 芳香:
いっちに、さんし、ごーろく……。
宮古 芳香:
ん? 6の次って、なんだっけ?
8か9? それとも13くらい……。
霍 青娥:
日課の柔軟、続いてるわねぇ。感心感心。
宮古 芳香:
あ、青娥だ。なあなあ。
今すぐ関節を柔らかくする方法、ないかぁ?
霍 青娥:
今すぐって、そんなに焦る必要ないと思うけど。
ゆっくり柔軟してれば、いいんじゃない?
宮古 芳香:
私、もっと青娥の役に立ちたいんだ!
関節が柔らかいほうが、きっと強くなれる!
霍 青娥:
う~~~ん。なんて、頑張り屋さんなの!
さすがは、私の芳香ちゃんだわ。
霍 青娥:
そこまで言うなら、この薬を試しましょう。
永遠亭からお借りしてきた、身体が柔らかくなる薬よ。
宮古 芳香:
それ、ほしい! いただきまーす!
宮古 芳香:
んっ……んんっ? う、動く! 身体が動く!
ヒジも、ヒザも、私の思い通りだ!
霍 青娥:
それはよかっ……、きゃっ!?
ど、どうしちゃったの、芳香ちゃん!?
宮古 芳香:
うーん……?
関節が、ゆるゆるすぎて、ちゃんと立てないぞ。
霍 青娥:
芳香ちゃんが、まるで芋虫みたいな動きを……。
身体を柔らかくする薬が、効き過ぎたのねぇ。
霍 青娥:
仕方ない。もう一度、永遠亭に忍び込んで
身体を元に戻す薬を……。
霍 青娥:
きゃーっ!! 芳香ちゃんのおでこに矢文が!
宮古 芳香:
なんだ、この手紙? 青娥読んで。
霍 青娥:
え、えーと……。なになに。
『試験薬を盗んだ邪仙へ』ですって?
霍 青娥:
『薬の効き目を観察し、報告してくれたら、
元に戻す薬を無償で差し上げます』と……。
霍 青娥:
あのヤブ医者……。うちの芳香ちゃんを
実験台にするために、わざと薬を盗ませたわね。
霍 青娥:
こうなったら、今すぐ永遠亭に乗り込んで……。
宮古 芳香:
青娥! 私、しばらくこの身体でいたいぞ。
意外と素早く動けて、これはこれで便利だ。
霍 青娥:
……あら、そうなの?
宮古 芳香:
うぉーっ! この身体で、青娥を守る。
巫女でも、魔法使いでも、かかってこーい!
霍 青娥:
本人が楽しそうだし、まあいいかしら。
活躍に期待してるわよ、芳香ちゃん。