-------------- 人間の里 -------------- 霍 青娥: はあ。日常は退屈、退屈ですわ。 何か興味深い出来事は、ないかしら? 女性A: ねえ、知ってる? 殺された女の死体が 動き出して、毎晩女の人を手招いているって話……。 女性B: 知ってる! 美人だから嫉妬されて殺されて、 その恨みから、女の人を狙ってるって……。 女性A: そうなの~私怖くて! しかも、里から外れた山道で出たらしいじゃない? 女性A: 私、あの道ときどき使うの! だから、もう怖くって……。 霍 青娥: ……へぇ、死体。それも美人の! いいこと聞いちゃった、探しにいきましょう! 霍 青娥: 噂によると出るのはこの辺らしいけど……。 手招きはー……、見えないわ。 霍 青娥: というか、一度来たことがあるような……。 だとしたら、こちらに道があったはず。 霍 青娥: そうそう。ここに道が……って、誰か倒れてる! もしかして、噂の死体かしら? 宮古 芳香: ぐおー……。すやぁ……、はっ!? 誰だ、私の眠りを妨げるのは! あ、青娥だ! 霍 青娥: なんだ、芳香ちゃんじゃない。 どうしてこんな所に……あっ! 霍 青娥: そうだった。涼しくて人気のない場所で 寝るように命令したのを忘れてたわ……。 霍 青娥: ということは、噂の正体はウチの娘こってことか。 宮古 芳香: ……噂ぁ? いったいなんの話だー? 霍 青娥: この辺で、美人の死体が手招きしてるんですって。 たぶん、芳香ちゃんが見間違えられちゃったのよ。 霍 青娥: そうだわ! 芳香ちゃん。今日から毎日、 寝る前に必ず柔軟体操をすること。いいわね? 宮古 芳香: おお? よくわからんが、任せろ! ここでも柔軟体操は欠かさないぞ! 霍 青娥: ……うふふ。 これで、あの噂に尾ひれがつくはず。 霍 青娥: 面白くない日々は、自分で面白くすればいい。 里の人々の反応が、今から楽しみね!