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神霊廟
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物部 布都:
おぬしの弟子、なかなか見つからんなぁ。
本当に神霊廟へ来たのか?
聖 白蓮:
ええ、それは間違いないはずです。
三日も帰ってなくて、さすがに心配で……。
物部 布都:
おや、もう正午か。腹が減っては、なんとやら。
この続きは、昼食のあとにしましょうぞ。
聖 白蓮:
迷子捜しの手伝いだけでなく、
昼食まで用意していただけるなんて……。
聖 白蓮:
ただ、すみません。
今日は、あまり食が進まず……。
物部 布都:
ああもう! その体たらくでは、
見つかるもんも見つからんぞ!
物部 布都:
この神霊廟特製、超健康かゆを食べろ。
これで精をつけ、午後から捜索を再開じゃ!
聖 白蓮:
そうですね。では、ありがたく……。
あら、すごくおいしい!
聖 白蓮:
見た目は普通の白がゆなのに、
食べるとホッとする味だわ。
聖 白蓮:
よかったら、レシピを教えてもらえないかしら?
弟子が見つかったら、食べさせてあげたいの。
物部 布都:
はぇ!? ……え、ええ。教えましょうとも!
物部 布都:
(レシピなんて知らんぞ! かといって、
忘れましたでは間抜けだ。ええい、ままよ!)
物部 布都:
あ、あれは隠し味が秘訣でな。
えーと、まずは我の厳選した漢方16種を……。
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後日 神霊廟
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物部 布都:
おや? 命蓮寺から手紙が来ておるな。
なになに……。
白蓮の手紙:
先日は、弟子捜しを手伝っていただき、
たいへんありがとうございました。
白蓮の手紙:
おかげさまで無事に弟子も見つかり、今は
勝手に遠くへ行かぬよう、言いつけています。
物部 布都:
そうかそうか。
ん? まだ続きがあるな……。
白蓮の手紙:
話は変わりますが、教わったレシピ通りに
おかゆを作って、弟子たちに振る舞いました。
白蓮の手紙:
あのおかゆとは、なぜか別物になりましたが、
弟子たちは夢中で食べてくれました。
物部 布都:
あのテキトーなレシピで、おいしくなったのか?
なるほど。これはつまり……。
物部 布都:
我の親切心が、奇跡を起こしたのだな。
さすがは我! はーはっはっは!