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人間の里
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豊聡耳 神子:
今日も人里に異常はなし。
平和で大いに結構……と、思ったんだがね。
豊聡耳 神子:
まさか、里で幽霊に出くわすとは……。
特に害はなさそうだが、なぜここに?
魂魄 妖夢:
見つけた! どこまで逃げるのよ。
……って、あなたは仙人様?
豊聡耳 神子:
おお、君か。用事は、この幽霊か?
魂魄 妖夢:
そうなんです。幽霊たちが人里に
飛び出してしまって、探している最中なんです。
豊聡耳 神子:
なるほど。だったら、私も手伝おう。幽霊なら、
己の欲を聞いてもらおうと私の下へ集まるはずだ。
魂魄 妖夢:
本当ですか?
助かります。よろしくお願いします!
豊聡耳 神子:
ああ。ところで今、
この幽霊の欲を聞いてみたんだが……。
豊聡耳 神子:
おいしい料理が食べたいらしい。
なにか、心当たりはないかな?
魂魄 妖夢:
幽霊がそんなことを? ……あ、もしかすると!
豊聡耳 神子:
心当たりがあるのか?
魂魄 妖夢:
幽々子様に出す料理を増やそうと思いまして、
家で新メニューの練習をしてたんですよ。
魂魄 妖夢:
その時、普段作らないものが珍しいのか、
幽霊たちが群がってきたんです。
魂魄 妖夢:
邪魔だったんで追い払ったんですが、
それからも何度も群がるようになって……。
豊聡耳 神子:
ふむ。もしや、君が里へ買い物に向かうとき、
幽霊たちが、ついてきたりしてないか?
魂魄 妖夢:
してました! それに最近、幽霊たちだけでも、
勝手に里へ飛び出すようになってしまって……。
豊聡耳 神子:
やはりか。美味しそうな料理を目の前にして、
君に阻まれたために、欲が溜まったんだと思う。
豊聡耳 神子:
美味しいものが食べたいと思った幽霊たちは、
おそらく飲食店などに集まっているだろうね。
魂魄 妖夢:
なるほど。なら、早速行きましょう!
飲食店巡りです!
豊聡耳 神子:
うむ。ちょうど小腹も空いたところだ。
食べ歩きといこうじゃないか。
魂魄 妖夢:
いやー、仙人様のおかげで、
幽霊がみんな集まりました。
豊聡耳 神子:
それは何よりだ。
私も様々な食事を食べられて、楽しかったよ。
魂魄 妖夢:
ありがとうございました。では、私はこれで……
うっ。お、お腹が苦しい……!
豊聡耳 神子:
私も、少し食べ過ぎたらしい……。
もう少し休憩していかないか?
魂魄 妖夢:
そうですね。幽霊も集まりましたし……って、
あれ!? いなくなってる!?
豊聡耳 神子:
やれやれ、幽霊は元気だな。
また美味しいものを探しにいったんだろう。
魂魄 妖夢:
くっ、追いかけないといけないのに、
お腹が苦しくて、動けない……。
豊聡耳 神子:
私も手伝うから、安心しなさい。
……ただし、もうしばらく休んでからな。