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博麗神社
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豊聡耳 神子:
久々に宴会に参加するのも、いいものだな。
たまには羽を伸ばすか……。
東風谷 早苗:
あー! 神子さんじゃないですか~!
珍しい! 新鮮! ちゃんと飲んでます~?
豊聡耳 神子:
やあ、守矢神社の巫女じゃないか。
すっかり、できあがっているようだが。
東風谷 早苗:
まだまだ序の口ですよ~!
あ、そういえば聞きたいことがあったんです。
豊聡耳 神子:
聞きたいこと? いや、言わなくてもわかるよ。
私の容姿についてだな?
東風谷 早苗:
そうです! ずーっと気になってたんですよ。
あなた、私の知ってる聖徳太子と全然違うんです。
東風谷 早苗:
なんかこう髭はやして、遠くを見てるおじさん?
本だと、そんな姿ばっかりですよね。
豊聡耳 神子:
まあ、そうだな。
東風谷 早苗:
なんで今の姿は、そんなに違うんですか~?
豊聡耳 神子:
それはだね、尸解仙として復活するときに、
現代風の姿に見た目を変えたからだ。
東風谷 早苗:
え~? どうしてですか?
もしかして、肖像画の姿が嫌だったり?
豊聡耳 神子:
いや、そういうわけではないよ。まいったな。
あまり昔のことは……。ふむ、そうだな。
豊聡耳 神子:
前の姿のままでは、
この時代では奇妙に見えると思ってな。
豊聡耳 神子:
人に寄り添うためには、自分も同じ目線に
ならなければならない。そう思ったのだ。
東風谷 早苗:
なるほど~! さすがは聖徳太子様!
そんな崇高な理由があったなんて!
東風谷 早苗:
それじゃあ、その髪型も今風にしようと!?
あ、もしかして、ヘッドホンもそのためですか!?
豊聡耳 神子:
いや、それはまた別というか……。
困ったな。どうしたものか。
東風谷 早苗:
あっ、そうだ。他の人にも広めましょう!
こんないい話、私だけ聞くのは、もったいない!
豊聡耳 神子:
おい、どこに引っ張っていくつもりだ!?
東風谷 早苗:
向こうで呑んでる人たちの所です。
みんなにも、今のいい話を聞いてもらわないと!
豊聡耳 神子:
いや、昔の話を広めたくは……!
は、放してくれ! 頼む! おわーっ!?