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寺子屋
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二ッ岩 マミゾウ:
寺子屋か……。たまには子供に化けてみるのも、
面白いかもしれんのう。
上白沢 慧音:
さ、それでは今日の授業を始める。
大事な話だから、集中して聞くように。
二ッ岩 マミゾウ:
う~む、なんともお堅い先生じゃ。あれでは
生徒の頭に、何も入っていかんぞ。どれ……。
上白沢 慧音:
守り神の歴史を見ていこう。彼らは古来より、
災難から人々を守る存在として……、
二ッ岩 マミゾウ:
先生~!
もっと刺激的な授業はできんかのう!
上白沢 慧音:
刺激的な授業……? 何を言っているんだ。
静かに話を聞きなさい。
二ッ岩 マミゾウ:
えー。先生の話が、あまりにもお堅いもんで、
内容が全然入ってこないんじゃがのう。
上白沢 慧音:
なっ、授業に集中できないというのか。
それはまずいな……。
上白沢 慧音:
オホン。じゃあ少し、雰囲気を
柔らかくしましょうか。こ、これでどうかな~?
二ッ岩 マミゾウ:
まだまだ全然! もっと表情豊かに!
まるで歌うような調子で!
上白沢 慧音:
あ、あのなぁ、生徒に示しをつけるためにも、
ある程度の威厳ってものが……
上白沢 慧音:
ん? お前、その尻尾……、まさか!
二ッ岩 マミゾウ:
そうじゃ、儂じゃよ! だまして悪かったな。
ただ子供たちが退屈しているのは事実じゃぞ~?
上白沢 慧音:
コラ待て! 授業を邪魔する者は許さーん!
上白沢 慧音:
やっと捕まえた。まさか子供に化けて、
授業に潜り込んでいたとはな。
二ッ岩 マミゾウ:
うう、もう少しで逃げ切れたんじゃが。
仕方ない。もう寺子屋には近づかんよ……。
上白沢 慧音:
おい、どこへ行くつもりだ?
まだ話は終わってないぞ?
二ッ岩 マミゾウ:
ん? イタズラも済んだことだし、
儂はこれで帰ろうかと……。
上白沢 慧音:
何を言うか。生徒として、この寺子屋に
来たからには、私もお前を生徒として扱う。
上白沢 慧音:
授業中、勉強を怠けた上、邪魔までしたんだ。
お咎めなしでは済まないぞ! 居残り勉強だ!
二ッ岩 マミゾウ:
さ、さすがは現役教師。
怒らせると恐ろしいのう……。