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魔法の森
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鬼人 正邪:
はぁ、はぁ……っ。
よし、今日も逃げ切ったな。
宇佐見 菫子:
逃げ切ったな……。じゃ、なーいっ!
宇佐見 菫子:
毎度毎度、くだらないイタズラして
みんなに追いかけられてさぁ!
宇佐見 菫子:
しかもなんで毎回、私を巻き込むのよ!?
あり得ないんですけど!
鬼人 正邪:
まあまあ、そう怒んなって。おまえも私も、
同じ、幻想郷を壊しかけた犯人じゃないか。
宇佐見 菫子:
いっしょにするなー!
私はもう、善良な天才女子高生なのよ!
宇佐見 菫子:
まったくもう……。
そのうちホントに、退治されちゃうよ~?
鬼人 正邪:
はいはい、ご心配どーもどーも。
余計なお世話だってんだ。
宇佐見 菫子:
なんでそういう言い方するかなー。正邪のこと、
少しはいいヤツだって思ってるのに……。
鬼人 正邪:
……は? 私が、いいヤツ?
お、おいおい、バカを言うんじゃねーよ。
宇佐見 菫子:
え、どうしたの? ……あっ。そうかそうか。
そういえばそうだったねぇ、正邪!
宇佐見 菫子:
あなたってば、人から好意的に言われるのが
苦手だったわよね~!
鬼人 正邪:
は、はぁ~? そんなわけねーだろ?
宇佐見 菫子:
わかってる、わかってるよ正邪。
本当は、心配されて嬉しいんだよね。
宇佐見 菫子:
さすがに、イタズラはやめた方がいいけど……。
そういう素直になれないとこ、カワイイわ。
鬼人 正邪:
コイツ……。あー、あー。
全然ちっとも、なーんにも聞こえねー。
宇佐見 菫子:
あっ、そういうことしちゃうんだ。
ふーん、それなら……。
宇佐見 菫子:
あのね。正邪といると、いつも刺激的で
楽しいなって思ってる。だから……、大好きだよ!
鬼人 正邪:
うるせー! 私は、おまえなんか大っ嫌いだ!
宇佐見 菫子:
やっぱり! 私たち、両想いってことね!
鬼人 正邪:
ちげーって!
もう、勘弁しろよ……。
宇佐見 菫子:
ほらほら~。もう私をイタズラに巻き込まないって
約束しないと、もーっと言うわよ~?
鬼人 正邪:
あーはいはい。わかったって。
もうやらない。だから、やめろ!
宇佐見 菫子:
はい、よくできました。
それじゃ、最後に一撃……。正邪、好き~っ!
鬼人 正邪:
ぎゃーっ! はーなーれーろー!