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魔法の森
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鬼人 正邪:
ん? こんなひと気のない森に露店が……。
なんの店だ?
河城 にとり:
おお、いいところに! そこの人!
ちょっと、この嘘発見器を試してみません?
河城 にとり:
質問に嘘で答えると、音が鳴って、
嘘がバレちゃうって代物なんですよ。
鬼人 正邪:
ほう。そいつは、実につまらなそうだな。
やってやろうじゃないか。
河城 にとり:
それじゃ、機械をつけて……。では、質問には
「はい」か「いいえ」で答えてくださいね。
河城 にとり:
まずは、カンタンな質問からです。
お名前は、鬼人正邪さんで間違いないですか?
鬼人 正邪:
普通に答えるのは癪だが……、
はい、だ。
河城 にとり:
うん。ちゃんと音は鳴らないな。
種族は、天邪鬼でしたよね?
鬼人 正邪:
これも、はい、だな。
河城 にとり:
ふむふむ。反応なし、と……。それじゃ、
こっからは趣向を変えた質問いきますよ~。
河城 にとり:
あなたって、めったに宴会には来ないけど、
本当はちょっぴり参加してみたいとか思ってる?
鬼人 正邪:
は? なんだその質問。
もちろん、いいえに決まってるだろう。
鬼人 正邪:
な、なんだ? 私は嘘なんか言ってないぞ!
こいつ、壊れてるんじゃないか?
河城 にとり:
ほうほう。これはちょっぴり意外な結果が……。
じゃ、次の質問いくよ~。
河城 にとり:
実は、みんなと仲良くしたいとか思ってたり、
あと……、実は気になる子とかいたりする?
鬼人 正邪:
どっちも、いいえだ!
河城 にとり:
機械は、そうは言ってないみたいだけど。
鬼人 正邪:
ぐはぁっ。なんでだ!
なんで反応するんだ!
河城 にとり:
ふむふむ、『天邪鬼にも効果アリ』っと。
河城 にとり:
おかげで、いい宣伝文句ができたわ。
さっそく売り込みに行かなくちゃ。じゃあねー!
鬼人 正邪:
チクショー、バカにしやがって!
こんなのインチキだ! 不良品だあー!