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守矢神社
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宇佐見 菫子:
早苗さーん! さっきロープウェイの乗り場で
変なものを拾ったの。見て!
東風谷 早苗:
変なもの、ですか? ちょっと拝見。
……こ、これは!?
東風谷 早苗:
くすんだ銀色に、手のひらくらいの大きさ……。
しかも、少し厚みのある円盤型……!
東風谷 早苗:
間違いありません!
これは、私が昨夜目撃したUFOですっ!
宇佐見 菫子:
ええー、これが? ただの金属の板にしか
見えないし、そもそもこんなにちっちゃいもの?
東風谷 早苗:
いいえ、絶対にUFOです。私、同じ形のものを
オカルト雑誌で見たことがあるんだから。
東風谷 早苗:
それに、幻想郷にUFOが出現したこともあります。
だから、これは絶対本物よ!
宇佐見 菫子:
な、なるほど……! そう言い切られると、
なんだか私もそう思えてきた……!
宇佐見 菫子:
よーし。それじゃあ、
ちょっとこいつを調べてみよう!
宇佐見 菫子:
うわわっ! な、何!? ちょっ、暴れないで!
……ああっ!? UFOが飛んでいっちゃう!
東風谷 早苗:
あーっ!? 手を放しちゃダメですって!
とにかく追いかけましょう! 待てー!
宇佐見 菫子:
あっ、UFOが向こうへ落ちてくよ!
……んん? あそこに誰かいる?
河城 にとり:
おやっ? 二人とも、どうしたの?
もしかして、これを追いかけてきたのかな?
東風谷 早苗:
そうなんです! そのUFOを調べようとしたら、
逃げられてしまって……。
河城 にとり:
ふーん。UFOねえ……。
なるほど、そう見えるのか。
宇佐見 菫子:
えっ、どういうこと? ……って、待って。
貴方が持ってるそれ、もしかしてリモコン?
河城 にとり:
そう! これは我らが河童による、最新作のおもちゃ!
無線で遠隔操作する、フライングディスクだ!
宇佐見 菫子:
え、ええ〜っ!?
河城 にとり:
簡単操作で、遊び方は無限大!……ってね。
今度、こいつを売り出して稼ごうと思って。
河城 にとり:
昨日から試験的に飛ばしていたんだけど、
その様子なら、ドッキリアイテムとしても売れそうね。
東風谷 早苗:
そ、そんなぁ……。
じゃあ、私が見たのは、ただのおもちゃ……。
宇佐見 菫子:
そっかぁ、残念……。本物のUFOかもって、
ちょっと期待してたんだけどなぁ。