--------------
博麗神社
--------------
宇佐見 菫子:
おーい、レイムっちー! 遊びに来たよ!
……うーん、いないのかぁ。……あっ!
少名 針妙丸:
お客さんかなー? 霊夢は今、留守だよー。
……って、ぎゃああ! あの時の変態!
宇佐見 菫子:
あっ、貴方は! ……って、待って待って!
いきなり逃げないで〜。はい、ここに座って。
少名 針妙丸:
ううっ……。私を捕まえてどうするんだ!
やっぱり人体実験をする気なのか!?
宇佐見 菫子:
うわぁ、すっごい怖がらせちゃってる。
ど、どうしよう……。あっ、そうだ!
宇佐見 菫子:
あの、怖がらせちゃって、ごめんね。
お詫びにこれ、私が作ったクッキーなの。どうぞ!
少名 針妙丸:
ふん。こんなので私を油断させようったって、
そうはいかないよ!
宇佐見 菫子:
そ、そんなつもりじゃ……。そうだ、お話しない?
これ以上は、近付かないから。ねっ!
少名 針妙丸:
……まあ、少しくらいなら。ただし、
怪しいことをしたら、すぐに逃げるからね!
宇佐見 菫子:
もちろん! それじゃあ、何を話そうかなぁ〜。
あっ、貴方から私に聞きたいこととか、ある?
少名 針妙丸:
そうだなぁ……。貴方、外の世界の人間でしょう。
外の世界の小人の話を、聞かせてくれない?
宇佐見 菫子:
うんうん、任せて!
えーっとね、こんな話があるんだけど……。
宇佐見 菫子:
……それで、助けたツバメのおかげで、
最終的にお姫様は幸せになれた、って話なの。
少名 針妙丸:
なるほどねぇ。そっちの小人も、
大変なのは変わらないかぁ。もぐもぐ。
宇佐見 菫子:
あっ、クッキーなくなっちゃったね。
おかわりあるけど、食べる? あと、お茶もどうぞ!
少名 針妙丸:
わーい、食べるー! お茶もありがとう〜。
ふふっ、貴方って意外といい人なんだね。
宇佐見 菫子:
ああ……、小人さんが、大きなクッキーを夢中で
食べてる……。かわいいなぁ、飼いたいなぁ……。
少名 針妙丸:
……い、今、飼いたいって言った?
宇佐見 菫子:
あっ! た、ただの冗談だよ……!
少名 針妙丸:
前言撤回! いい人なんかじゃないわ!
やっぱり変態を信用するんじゃなかったー!
宇佐見 菫子:
待って待って! 話を聞いて!
お願いだから、逃げないでよ〜!