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迷いの竹林 妹紅の家の庭
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宇佐見 菫子:
そういえば妹紅さんって、
パイロキネシスを自分で身につけたのよね。
藤原 妹紅:
パ、パイロネ……? 唐突に、なんの話だ?
宇佐見 菫子:
パイロキネシス。炎を出す超能力のことよ。
妹紅さん、もしかして才能あるんじゃない?
宇佐見 菫子:
訓練すれば、他の超能力も使えるようになるかも!?
よーし。超能力開花特訓、やってみよー!
藤原 妹紅:
は? おーい、菫子~? やれやれ。
こうなると、ホント話を聞かないからな……。
藤原 妹紅:
仕方ない。
適当に、付き合ってやるか。
宇佐見 菫子:
まずは、透視から始めましょう! このカードの
裏に書かれている、マークを当ててみて。
宇佐見 菫子:
大事なのはイメージよ。強く念じるの!
答えは、この5種類のマークのどれかだから。
藤原 妹紅:
つ、強く……むむ、うぐぐぐぐ……。
よし、答えは四角だ!
宇佐見 菫子:
どれどれ……。えっ、当たってる!?
すごい、妹紅さん! この調子で続けましょう!
宇佐見 菫子:
結局20回やって、当たったのは最初の1回だけ。
どうやら、まぐれだったみたいね……。
藤原 妹紅:
はぁ、無駄に疲れた……。
な、なあ。もう少し頭を使わないやつはないか?
宇佐見 菫子:
うーん。じゃあ、サイコキネシスにしてみる?
そうねぇ……そこの甕を使ってみましょう。
宇佐見 菫子:
浮かせたり、壊したり、なんでもいいわ。
手を使わずに、力を開放するイメージよ!
藤原 妹紅:
これを? この甕、持ち上げるのも大変なくらい
重いんだぞ。おまけに今は、雨水も溜まってるし。
藤原 妹紅:
まあ、ひとまずやってみるか。力を開放して、
浮かせる浮かせる……うおぁぁああああ!!
宇佐見 菫子:
きゃーーー!? 妹紅さん、炎が出てるわ!
しかも、落ち葉に引火していってるー!?
藤原 妹紅:
しまった、力を入れすぎた! まずいぞ
このままじゃ、また火事になってしまう……!
藤原 妹紅:
騒ぎになる前に、消し止めないと!
そうだ、この甕に水が……!
藤原 妹紅:
うおおお、くらえぇええっ!!
……どうだ、火は消えたか!?
宇佐見 菫子:
大丈夫、鎮火したみたい! 危なかった~……。
でも、よくそれを持ち上げられたわね。
藤原 妹紅:
え? ああ、確かに……。いつの間にか力が
ついたのかな? どれ、元の位置、に……っ!?
藤原 妹紅:
やっぱり重い!! さっきは水が入っていて、
もっと重かったはずなのに、どうして!?
宇佐見 菫子:
まさか、さっきのは火事場の馬鹿力!?
あれも、ある意味、超能力みたいなものよね……。
宇佐見 菫子:
やっぱり妹紅さん、才能あるのかも?
よーし。そうと決まれば、さらに特訓よ!!
藤原 妹紅:
嘘だろ、まだやる気なのか!?
もう勘弁してくれ~~~~!!