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博麗神社
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クラウンピース:
……それで? いったいどうして、
あたいとおまえが戦わなきゃいけないのさ?
チルノ:
しらばっくれるな! おまえ、
まーだ最強妖精を名乗ってるらしいじゃないか!
チルノ:
最強は、つねに一人! てことで、今から
たった一人の最強妖精を決める、本気の勝負だ!
クラウンピース:
うーん、チルノと戦うと冷えるんだよなー。
……そうだ。じゃあ、こういう勝負はどう?
クラウンピース:
あそこにいる巫女の服を、先に脱がせた方が勝ち。
しかも、気づかれないようにやるの!
クラウンピース:
あたいたち妖精は、自然の化身。姿を見せずに
人を動かしてこそ、真の最強ってわけさ!
チルノ:
おもしろそうね……それなら、先手必勝!
あたいの氷風で、服を剥ぎとってやる!
博麗 霊夢:
は~、いい天気。
こんな日は、縁側でひなたぼっこに限るわねー。
博麗 霊夢:
んえっ!? なに、この風……!?
ていうか、寒っ!!
博麗 霊夢:
な、何これ、雹が降ってるの!?
うう、何か羽織らないと、凍える……っ!
チルノ:
ええー!? 逆に着込もうとしてるじゃん!
クラウンピース:
残念だったな! それじゃ、次はあたいの番!
クラウンピース:
……ぷぷっ。
チルノの奴、完全にあたいの思惑通りね。
クラウンピース:
この勝負は、いつかヘカーティア様から聞いた、
北風と太陽が戦う物語の再現。
クラウンピース:
そこでは、ターゲットを暑がらせた太陽が勝つのさ。
つまり、この勝負は、炎を操るあたいが勝つ!
クラウンピース:
てことで、派手に暑がらせるぞ!
ゆけっ、地獄の炎よー!
博麗 霊夢:
あら? 今度は、あったかくなってきたような。
いや……、すごく暑いわ! 暑いっ!
博麗 霊夢:
もー、なんなのよ! 今日の天気は!
もう服なんて着てられない。脱いでやるっ!
チルノ:
げぇーっ! なんでそうなるのよー!
クラウンピース:
へへっ! これがあたいの実力さ!
さ、とどめにもうちょい火力をあげるかー。
クラウンピース:
……あ、やばっ。
博麗 霊夢:
ん? なに、この音は?
ていうか、なんか焦げくさ……って、
博麗 霊夢:
わああ!? 社殿の軒下から煙がっ!?
これって……、まさか!
クラウンピース:
げっ、見つかった!
博麗 霊夢:
やっぱりあんたね、クラウンピース!
氷のもいるってことは、さっきの雹もイタズラ!?
博麗 霊夢:
私の気持ちいい朝を壊すなんて……、許せない!
食らいなさいっ、霊符『夢想封印』!
クラウンピース:
うーん、なんでうまくいかなかったんだろ?
なあ、ターゲットを変えて、もう一回やろうぜ。
チルノ:
お、おまえ、なんでそんなに元気なんだ?
あたいは、もうこの勝負は、いやだー……きゅう。