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魔法の森
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クラウンピース:
うーん。暇つぶしにやってきたはいいけど、
相変わらずジメジメして、うす暗いとこだなー。
クラウンピース:
まあ、せっかく来たからには、
面白いものの一つでも見つけて……っと、あれ?
クラウンピース:
こんな所に、家?
しかも、なんかいいにおいがするぞ。
クラウンピース:
おっ! 窓の向こうに、お菓子が見えるじゃないか!
よーし、それじゃあさっそくちょうだいして……
クラウンピース:
うわあ!? なっ……、人形!?
や、やめろ掴むな! はーなーせーよー!
???:
あら?
どこの不届き者かと思ったら、見ない妖精ね。
アリス・マーガトロイド:
こんにちは。私、この家の持ち主よ。
察するに、お菓子でも盗もうとしてたのかしら?
クラウンピース:
だ、だったら何さ?
文句があるなら、かかってこい!
アリス・マーガトロイド:
ふうん……。
ちょっと待っててくれる?
クラウンピース:
な、なんだ? 家に入ってったぞ……。
まさか、武器でもとってくるのか?
アリス・マーガトロイド:
はい、これ。あげるわ。
クラウンピース:
……へ? これって、さっきのお菓子?
それもこんなにいっぱい……、なんのつもり?
アリス・マーガトロイド:
だって、欲しかったんでしょう?
それなら、おすそわけしようと思って。
アリス・マーガトロイド:
私、前にこの家に来た妖精をもてなしたことが
あるの。最近は、すっかり姿を見ないけど……。
アリス・マーガトロイド:
もし知り合いだったら、
いっしょに食べたらいいわ。それじゃ……。
アリス・マーガトロイド:
あ、そうそう。
その服、なかなか素敵よ。
クラウンピース:
へ、変な奴ぅ~。盗みに入ろうとした奴に、
こんなに親切にするなんて。
クラウンピース:
でもま、もしもお菓子がおいしかったら、
また来てもいいかな。あたいは、地獄の妖精……、
クラウンピース:
けど、こういう地獄にない甘さも、
案外嫌いじゃないんでね。